2012年4月2日月曜日

漢字「梅」の起源と由来:木編に母を顕す「毎」の会意文字

 昔、菅原道真が「東風吹かば匂いよこせよ梅の花」と詠んだように、梅の花は桜の花とまた少し違う感慨を日本人に与えている。
 春近しとはいえまだまだ寒い季節に一番に咲き、我々に春遠からじと告げる。そして、その凛とした姿は、気品に溢れ、見るものに一種の畏敬の感さえ与えるように感じるのは私だけだろうか?

 梅は形声字で木偏と「毎」からなっている。「毎」は象形文字で本義は氏族社会の中で、子供を最も多く育てた母親のことである。《詩経》では「原田毎毎」という表現で、田畑の植物がよく茂り繁殖していることを形容している。従って、梅がなぜ「梅」と書かれるようになったかの原因を知ることは難しいことではない。

梅が実をつける時、必ず枝枝全てに累々と実をつけている。この外女性が妊娠した時酸っぱいものを食べたい時、いつも梅の果実を口の中に入れているのは中国の妊婦の習慣の一つである。古人も認めるように梅は女性が妊娠した時の生理反応を助け、胎児を平安に発育させることが出来る。この為人々は梅を一種のめでたい樹木と考えた。 

 酢がなかったころ、古人は梅を使って生臭さを消した。《札記内則》にある「酵素を用いて和え、肉は梅を用いる」動物の肉を煮て食うとき、必ず梅のみを生臭さを消す調味料として使う。羹を和える時、塩梅を用いる。

また「望梅止渴」(梅を見て渇きをいやす)は歴史上有名な故事である。これは今でも我々がよく経験することである。


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