その昔は、「吉良上野介」のように名前にもよく使われていた。ここでも漢字の持つ意味合いは、助けるというものである。
この他、節介、介添え、魚介などがある。
引用 「汉字密码」(唐汉,学林出版社)
「介」これは会意文字である。甲骨文字の「介」は、顔を右に向けて立っている人の形である。脚の部分に4点で足を表している。金文の介の字は背を曲げた人の形で下部の4点は前後の2つの点に変っている。
小篆の介の字は基本的には金文と同様で、楷書の構造は隷書化の過程で変化し「介」と書くようになった。
上古の時期、華夏先民は下半身は短い裾の服装をしていた。いばらの荒野を行進中は足全体を必ずゲートルで巻き上げていなければならない。この種のゲートルは「介」と称されるようになった。
上古の戦争では、武器で相対する戦争で(この時期は矛と盾はまだ普及していなかった)、介(ゲートル)と冑(ヘルメット)は兵士達には必須の防護装備であった。
史記の韓非子列伝では「急则用介冑之士。」とあるがこの介冑とはすなわちゲートルとヘルメットのことを言い兵士を比喩している。
この意味から、発展して甲殻類などの堅い殻をもつものを含め、魚介類と称するようになった。
これに対し、白川先生は「体の前後によろいを付けた人の形」としており(「字統」)、また円満字二郎氏も、「漢字成り立ち図鑑」(円満字二郎、誠文堂新光社)の中で「この人を示す形の両側にあるのは、「よろい」を示すもので、これを組み合わせた漢字が変形した会意文字である。」という同様の説明をしている。「漢字の起源と成り立ち 『甲骨文字の秘密』」のホームページに戻ります。