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2021年6月18日金曜日

漢字の誕生物語:漢字 松はどのように生まれたか。漢字 松からイメージできるもの


漢字 松の誕生物語:漢字 松の成り立ちと由来
私は今まで漢字に興味を持ちその成り立ちを探ってきました。

 今までのアプローチ方法は、まず漢字ありきでした。
 しかし、今よくよく考えてみますと、漢字の成立した過程は、全く逆の過程を通っていると考えられます。
 最初にはまず物や人や行動、あるいは事象があり、それを認識・理解した後、他の人に伝達・説明するために言葉が生まれたはずです。つまり、まず最初には「もの」があったはずです。

 最初に、ものがあり、それを把握し、その事物人らかの手を加え、それで行動を起こし、他の人にその自分の意図を伝えたいときに漢字も生まれたはずということです。

 こんな当たり前のことを忘れていました。そして、漢字を見て、どう解釈したらいいかということばかり気にしてきました。



 古代の人々が松の木が植わっており、その松の木を他の人に伝えるにはどうしたでしょう。

 もっとも特徴的な物で説明するのが一番だと思います。

 皆さん、誰かに松というものを人に伝えたいときに、松という漢字を使わずに説明したいときにはどうしますか。まず、木と松葉と松ぼっくりの絵をかくのが一番手っ取り早いと思います。
松の葉と松かさです


  
松・金文
木+松葉+松かさ
松・小篆
金文を引き継いだ
松・楷書
字としての形を整える。


    


「松」の漢字データ
 

漢字の読み
  • 音読み   ショウ
  • 訓読み   まつ




引用:「汉字密码」(Page、唐汉著,学林出版社)
唐漢氏の解釈
 「松の木」は中国文化の中で、重要な位置を占めている。夏朝は「松」を神木として奉り、商の人は柏を神木とし、周の人は栗を神木とした。

 又古代人は松の木の品格を賛美した。一般的に言えば、枯れやすい木は、葉面積が比較的大きく、いわゆる「広葉樹」です。 対照的に、「針葉樹」の木の葉が、針葉樹やヒノキのようなものはかなり異なります。針葉樹のような細かい葉は、さまざまな気候や環境に適応できることなどの理由から、松などの木を神聖なものとし珍重してきました。

 





漢字「松」の字統の解釈
 声符は公。「説文に「松木なり」とし別体として容に従う字を録する。常緑の木で、古くから祝頌詩に詠われ、吉祥のものとされた


まとめ
 漢字には、見たままを絵で表し、それを抽象化し、本質的なものだけを選別して、人に伝える力がある。したがって、漢字を見れば、漢字から逆にそのものをイメージすることができる。この力は、漢字だけが持つ、ほかの言語にはない魅力だ。



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2012年8月2日木曜日

漢字「宋」の起源と由来:人々は「穴」から出て、「宋」にすむようになった


住まいの漢字:「宋」の起源と由来

 中華民族の先民たちは、人口が増え村落が発展すると、当然のこととして建築様式の発展が生まれる。

 紀元前4、5千年前の仰韶の時期には人々の家屋は前回見た浅穴式の家屋から抜けだし、さらに地上の上につき出し、四方に柱を建て、泥壁をもった、より快適で、より堅固な家屋が出現する。

 この仰韶時代は河南省仰韶遺跡や陝西省半坡遺跡の辺りに栄えた文化を言う。食物は畑作で、粟や黍が中心で、豚、犬、鶏を飼育し、陶器は彩陶土器で、素焼きの上に赤や黒で彩色したものを特徴とする。


引用 「汉字密码」(P716, 唐汉,学林出版社)

甲骨文、金文、小篆の「宋」

  甲骨文、金文、小篆及び楷書の "宋 song" の文字は、形体は似通って、同じ流れを汲んでいる。上は "内 " 、下に "木 " と、明らかに内と木からなる会意文字である。




"宋 ": 蒙古のパオを思い出す

  実際に、これは上古の先人民達が木を梁柱にして、架設した地上形の居室である。このような家屋は六千年前に仰韶の時期に既に現われている :家屋を高く地面に出し、柱によって屋根を支える、四周は杭で支え、泥で塗った壁だ。このような木柱によって屋根を支える方式は容易に人々に蒙古のパオを思い出させる。

松の木は先民達の第一選択肢 

  屋根を支えるの木柱には直木を当てる、切り口は荒く、虫が出てこなくて、伐採して使用するのが容易である。黄河の流域では、松の木は先民達の第一選択肢である。実際に、宋と松は同じ音であるから :林では "松 "といい、室については "宋 "という。これも商民族が松木を神木と見なした縁由の一つだ。



現代の漢語の中では、原義は失われ国名に常用されている 

  中夏民族の居室建築の発展に従って、"宋 " の文字の本義もう消えてなくなっている。現代の漢語の中で、 "宋 " は国名に常用され、王朝名、氏名にも使われている。又漢字の字体を指すようにもなっている、即ち宋体あるいは宋の字体を模した字体を指す。

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2012年1月18日水曜日

漢字「楽」の起源と成立ち:踊りの真中でパチパチとあたりを照らす篝火の松の木

「楽」甲骨文字
「楽」小篆
今日は阪神淡路大震災が起こってちょうど17年目である。私はあの震災、オーム真理教の狂気、小泉純一郎氏の「自民党をぶっ潰す」ならぬ「日本のぶっ潰し」政策、そして自民党の2世首相達?の失政、最後に民主党などこれでもかこれでもかと言うような政治が続き、今や世の中全体がきな臭くなっているように感じている。全体として閉塞感が長くあり、保守的になり、「誰かが何かをしてくれる」と言う期待感が「蔓延」し、大阪市長の橋下氏の笛が高らかに鳴り響いている。戦前のドイツのナチの台頭が思い浮かばされる。非常にいやな時代といえる。

 このときこそある意味では戦後の民主主義の嵐のような高揚を目の当たりにしてきた年代が立ち上がるときではないだろうか。もちろんその当時の制約、人々の認識の未成熟さから来る問題点もあったことを踏まえたうえで・・。

 例えば音楽一つとっても見ても、少し時代は少し遡るが、昭和天皇がなくなるとき、歌舞音曲が「自粛」という形で、街の中からいっせいになくなったことを思い出し、世の中から音楽がなくなった時、何か息詰るような感覚を覚えたのは私一人ではなかっただろう。たかが音楽と侮るなかれ!そこには音楽を通して(ダケとはいわないが)見事に世の中を操ってきた力があるように思う。

 さて、今日は音楽の「樂」、楽しい、樂だといったときに使われる樂という漢字について触れてみよう。

楽の字の原意は松明
乐は樂の簡体字である。甲骨文字の乐は一個の会意文字である。下部は木であり樹木の木を表している。上部は松である。松の木の果実いわゆる松ぼっくりの線描である。古代社会では毎晩夜になると、人々は相集まり祭り、食事、愛情の歌舞音曲を執り行っていた。そのような歌や踊りに欠かせないものは中央で松や柏の木々が燃やされたり篝火である。植物中只松や柏の木だけが枝や葉に油脂を多く含み、乾燥せずとも切って使用できた。且つ又松と柏の枝葉は燃焼するときバチバチと音を立て、踊りやその場の雰囲気を駆り立てた。このことはまた中国の爆竹の始まりでもある。その濃い煙の立ち込める庭である種のさわやかな香りが漂う。この香もまた中国の祭祀の中で用いられる線香のはしりとなった。このように「楽」は生活の源泉をなしている。


 金文の乐は甲骨文字の不足を補う形となっている。特にその字の上に追加された「白」という字で柏を表している。小篆は金文を受け継ぎ楷書では隷書化の過程で松ぼっくりの形は簡略化され、糸が二つになり樂と書かれ、更に簡体字の規則通り乐となった。

 ここで中国の中央音楽学院の趙世民という先生は「探秘中国漢字」という講演の中で、この「樂」という字は楽器を表現したものだという説を唱えている。どうもこの説が中国では主流のようであり、分かりやすく、直感的であるにはあるが・・。

   いずれにせよ音楽とはこのようにして生まれたもので、上から鼓舞激励するために生まれたのではないのは確かなようだ。

 漢字の世界に限っていえば、このようにこの世界諸説紛々と行き交う世界である。しかしここでは諸説の真偽について議論する場にはしたくないしまたその力量もないので、まあそんな説もあるのかという程度に考えていく。  われわれに必要なのは、このようなカオスの世界は漢字だけにしておき、新しい民衆の力を一つの大きな流れにしていくことだろう。



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