「龍」と言う字が漢民族の心中に深く根ざした架空の動物神であることは前報で説明をした。それでは、字が生まれた時代的背景について少し掘り下げてみよう。
金文の「龍」 当時の生産方式の変化は漢民族の 意識の変化を生み、その変化は「龍」 という漢字を生んだ? |
そして、この字は金文から発展するにつれ、次第に皇帝の権力を象徴する存在へと変化を遂げていく。
龍の字の大篆から小篆の発展は力強く気勢のある調和の取れた美観を体現している。この種の龍の字の右半分の躯体はさらに長く変わり、湾曲する必要にいたるまでになっている。左半分の形態もさらに奇異な形状になって、字形は対象になり、一種の落ち着きとしっかりした感じさえ出ている。庶民性は少なくなり、次第に皇帝の権力、帝王の専用のシンボルに変化していった。
龍の字は原始民の間に恐れおののく意識の中で、古代民衆の現実生活の中で作り出されたものである。龍が一種の偶像になった時、それは自然界の動物の複合体と異なるものを持っていた。
牛の耳、トラの手、鷹のつめ、蛇の体、魚の鱗。龍の形の龍の字は同じで、完全に一種の仮想で、しかしながらそれは非凡にして突出して、空に掛かる人間界を超越した気勢、奇異にして言語を超える、奥深く計りしれない威力、漢民族に対して語り告げる、子々孫々までの無限の吸引力をもち、為にこのような龍は中華民族の象徴になりえたのである。
「龍」の入った成語や故事は下記のサイトに詳説されていますので、ご参照ください
四文字熟語は故事と成語の尽きない泉
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