漢字「執」の起源と由来
この漢字は珍しく、漢字源、字統、唐漢氏の解釈が一致した。また説文では、「罪人を捉えるなり」としている。
引用:「汉字密码」(P628、唐汉著,学林出版社)
「執」の字の成り立ち」
甲骨字の「執」という言葉は、人の両手が手枷でロックされているような形状です。 金文の「執」という言葉は、手を伸ばした「人間」と「幸運な」という言葉に分解され、象形の意味を失われています。 小篆は真っ直ぐ伸ばした両手の人間の形が " "という字に変わっています。そして楷書は"執"と書きます。
また、唐漢氏は同義語として「持」を上げて、両方共に「掌握」を意味することができるとしているが、その違いは 「執」の本来の意味は逮捕することであり、その意味が強く堅固である時、いわゆる「坚持、固执、执掌」のように「執」が使用されています。一方、「持」は保持に焦点が当てられ、持ったあとも変わらず変更されないようなときに、「持久、持续、相持」等「持」が用いられていると説明しています。
漢字源
会意文字。手枷と(人が跪いた形)」、座った人の両手に手枷をはめ、しっかりと捕まえたさま。
字統
会意文字。「幸」と「ゲキ」とに従う。「幸」は手枷。手に手枷を加える形で、罪人を拘執するをいう。
あとがき
「幸」は元々手枷のこと。なぜ手枷が「幸せ」なのかは、関連記事を読んでください。
これこそ、ものは考え様の手本みたいなもの。物事を前向きに考える大切さを教えてくれる漢字です。
そして、「執」とは、この「幸い」に捉われる人を表しています。物事の考え方は時代と共に変わっていきます。死刑執行の「執」などとんでもない。今をときめく音楽家の蓮沼執太さんなどはそのことを身をもって私たちに示してくれているのかも知れません。
関連記事:この記事は以下のページを参照にしています。
「漢字「幸」の由来:古代中国では「手枷」のこと。手枷が何故「幸せ」になるのか」
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