2012年10月8日月曜日

漢字:「者」の起源と由来


前回「都」という文字について考えた。今回はその部首である「者」について考察する。
引用 「汉字密码」(P780, 唐汉,学林出版社)

漢字:「者」の金文から楷書への変遷
「者」は漆塗りのための容器を表す。

者は一個の会意文字である。上部は泰の字で、下部は口であり、容器を表している。

 者は一個の会意文字である。上部は泰の字で、下部は口であり、容器を表している。両形の会意で、漆塗りのための器を示している。金文の別の書き方の「者」の字の上部は、形は変化している。小篆の「者」の字は、後で書くようになった金文の左右の斜めの画が連写されるようになっている。まん中の直線の下部の口は一緒に続けて書かれる。隷書化への変化でついに楷書の「者」になった。「者」の字の形体の変化の軌跡は明瞭である。

「者」は漆塗りに用いる器物で、本義は「付着」である。

 「者」は漆塗りに用いる器物で、本義は「付着」である。即ち「著」の最初の文字である。自然界には付着したものが他の者の物的現象の普遍的存在を表すことがある。「日月星辰」が天を表し、山水草木が地を表す様なものである。上古先民は労働実践から、通さない付着力の最強のものは漆であることを発見した。 この為漆を用いた什器は付着と同じ概念である。

「者」は説文では、代名詞である。

 「者」は説文では「者」と別のものに解釈している。曰く「者」は代名詞である。古文中「者」の主要な用法は動詞、形容詞の詞・句の後面におかれ、人、事物、時間、所、原因等等を重ねて述べる必要の時に代わって表すのに用いられ、単独では用いない。

者の字は部首にもなり、漢字の中で、全て付着に関係している

 者の字は部首にもなり、漢字の中で、全て「者」の音を持ち、全て付着に関係している。「猪、署、奢、著、著」 等がそれである。 
  
「漢字の世界の起源と源流を探る」のホームページに戻ります。

0 件のコメント:

コメントを投稿