漢字「北」の解釈の通説
「北」の字の甲骨文字の解釈は、人という字が背中を向けあっている。これは反目している状態の会意文字であるというのが通説であるようだ。この説明からは北という字が「背」に使われているなどには確かに納得できるものである。
唐漢氏の意表をつく解釈
ここで紹介する唐漢氏の解釈は少し意表を突くものであり、こういう見方もあるのかと思わせるものであった。
「北」の字の甲骨文字の解釈は、人という字が背中を向けあっている。これは反目している状態の会意文字であるというのが通説であるようだ。この説明からは北という字が「背」に使われているなどには確かに納得できるものである。
唐漢氏の意表をつく解釈
ここで紹介する唐漢氏の解釈は少し意表を突くものであり、こういう見方もあるのかと思わせるものであった。
唐漢氏は人とその影を文字化したものだという
北と南は相対する。4つの主要な方向の一つである。甲骨文字の形は一人の人間と影である。正午自分どこに向いていても、影の頭はすべて北向いている。
北方の冬の時期は人影は一般に長く地上に映え非常に顕著である。この為古人は地上の影が正対している方を北とした。この事から今日われわれをして古人の観察が細かくかつ、字の構造を作る妙を思うと感嘆しないわけにはいかない。
しかし、それにしても、北は人に対してその影を表現したものだという意見にはいささか違和感を覚える。
古人の建てた家屋は多くは南向いている。而して影は北向きである。この種の南向きの建物で北にある部屋は中国では「正房」、「上房」と称する。古代両軍が交戦するとき戦争に負けた方は追手に背を向けて逃げる。その方向は正に自分の背中の方である。即ち本来影の位置する方向で、これを敗北と言う。
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