漢字の成り立ちと由来から見えて来るもの:漢字「娄」は誇り高く結った女の髪形に由来する。旧字は「娄」
「楼」は楼蘭や高楼などのようにある種の品格を持った響きを聞く者に与えます。それは単に漢字の持つ響きだけではなしに、漢字から受けるイメージが、周りの景色に染まってしまうことなく凛とそびえたつ風景を思い起こさせることからくるのかも知れません。
このことは漢字「娄」そのものが、凛と高く結った女の髪形が誇らしげに佇立することを表していることに由来する。
「婁」は、漢字「娄」の原字で、高く結い上げた女性の髪形を表している。説文では「空」を表すとする。 漢字「楼」は「木」+「娄」で、旁の「娄」の原字は「婁」で、女性が高く結った髪の形を表している。このことから「楼」は背の高い建物や建造物を表すようになった。 | |||
婁・繁体字 | 娄・簡体字 | 楼・楷書 |
「娄」の漢字データ
漢字の読み
意味
使い方
要素を構成する漢字 瘻、 樓、 摟、
「楼」を含む熟語 玉楼、鼓楼、紅楼、高楼、鐘楼、水楼、妓楼
- 音読み ロウ
- 訓読み 常用漢字の適用はなし
意味
- 高い建物
- 城郭などで、高い場所 賓客などもてなした
使い方
- たかどの(高くつくった建物) (例:高楼)
- 「やぐら(城門や城壁の上につくった一段高い建物)」、「物見やぐら」
- 「料理屋」「茶屋」 旅人などにお茶やお菓子を出して休息させる店
- 「遊女屋(女を抱えて、客を遊ばせる家)」
要素を構成する漢字 瘻、 樓、 摟、
「楼」を含む熟語 玉楼、鼓楼、紅楼、高楼、鐘楼、水楼、妓楼
引用:「汉字密码」(P501、唐汉著,学林出版社)
唐漢氏の解釈
説文は娄を空なりとしている、母と中女に従う。ことから婁空の意味だとしている。このことは、女性が一人の女の子を出生し、腹の上の妊娠紋すでに至るところにあり、しかし男の子を出産できなかった、いわゆる「空」の「情景」だ。
説文は娄を空なりとしている、母と中女に従う。ことから婁空の意味だとしている。このことは、女性が一人の女の子を出生し、腹の上の妊娠紋すでに至るところにあり、しかし男の子を出産できなかった、いわゆる「空」の「情景」だ。
漢字「婁」の漢字源の解釈
会意文字である。「母+中 +女」で、母も女も女性であって、女性を捉えて、数珠つなぎにして引っ張る様である。
会意文字である。「母+中 +女」で、母も女も女性であって、女性を捉えて、数珠つなぎにして引っ張る様である。
漢字「婁」の字統の解釈
女の髪を高く巻き上げて重ねた形。 高く重ねる、すかすなどの意がある。 「節分」に「空なり 母に従い、中女に従う。 婁空の意なり」とするが、どうして婁空の象となるかを説くことがない。婁空とは、髪を巻き重ねて、軽くすかしている意である。
女の髪を高く巻き上げて重ねた形。 高く重ねる、すかすなどの意がある。 「節分」に「空なり 母に従い、中女に従う。 婁空の意なり」とするが、どうして婁空の象となるかを説くことがない。婁空とは、髪を巻き重ねて、軽くすかしている意である。
まとめ
会意文字であるようだが、甲骨文字にせよ、金文にせよ、まるで象形文字であるかのように生き生きとした人々の姿が描写されている。文字の形に簡略化し、無駄を省いたデッサンとなっており、実に素晴らしい記号化、抽象化がなされていると思う。
会意文字であるようだが、甲骨文字にせよ、金文にせよ、まるで象形文字であるかのように生き生きとした人々の姿が描写されている。文字の形に簡略化し、無駄を省いたデッサンとなっており、実に素晴らしい記号化、抽象化がなされていると思う。
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