漢字「夫」の由来:字の構成の上から言っても「妻」と対比をなす
「大」の上に「━」は何を意味する? 「大」は人の正面形、その頭に横線「一」を付けた形。この横線「一」こそ盛装のシンボルである髪飾りである。
成人男性の頭の上に髪飾りを付けた形。そしてこの構造は妻にもいえる
もともと成人した立派な男性を示す漢字であった。これに対し「妻」は頭上に三本の簪を加え、これを手で挿している女の姿をいう。夫妻という字は婚儀に際し夫妻の盛装した姿をいう。
しかし「夫」に「人」が付けばキュリー夫人のように専ら女性を示す。これも最近のジェンダーの議論でいえばNGなのでは。(男についた人という意味で、従属的な漢字ということにならないのか?
もっともこんなことをいい始めたら埒が明かないかもしれない
「夫」の漢字データ
引用:「汉字密码」(Page、唐汉著,学林出版社)
「大」の上に「━」は何を意味する? 「大」は人の正面形、その頭に横線「一」を付けた形。この横線「一」こそ盛装のシンボルである髪飾りである。
成人男性の頭の上に髪飾りを付けた形。そしてこの構造は妻にもいえる
もともと成人した立派な男性を示す漢字であった。これに対し「妻」は頭上に三本の簪を加え、これを手で挿している女の姿をいう。夫妻という字は婚儀に際し夫妻の盛装した姿をいう。
しかし「夫」に「人」が付けばキュリー夫人のように専ら女性を示す。これも最近のジェンダーの議論でいえばNGなのでは。(男についた人という意味で、従属的な漢字ということにならないのか?
もっともこんなことをいい始めたら埒が明かないかもしれない
漢字「夫」の楷書で、常用漢字です。 古代は盛装し、髪に髪飾りを付けた成人男子を表していたが、時代が下るにつれ高官や貴人の妻を指すようになり、現代では社会的評価のある結婚した女性を示すようになった。 しかしそれでも、丈夫のように男性の名残りはまだ受け継がれている。 | |
夫・楷書 |
夫・甲骨文字 夫の字は一と大から成る。大は成年男子を表し、一は髪を束ねるために用いられる簪を表している。 |
夫・金文 甲骨文字を継承している |
夫・小篆 周代には諸侯の正妻 漢代には列候の妻に贈る封号 唐代以降高官や貴人の妻を指すようになった |
「夫」の漢字データ
漢字の読み
意味
同じ部首を持つ漢字 大、天
漢字「夫」を持つ熟語 夫人、農夫、人夫
- 音読み フ
- 訓読み それ、これ、か、おっと
意味
- 「おっと(結婚して妻のいる男)」(例:夫妻)
- 丈夫 1人前の男(親からの助けを受けず生活を送れる男)
最近では親からの支援を人前で堂々と披ける人間がいるが、あれは一人前でない - 夫役 ・・・公共(国)の仕事を割り当てられた男または公共(国)の仕事の割り当て
同じ部首を持つ漢字 大、天
漢字「夫」を持つ熟語 夫人、農夫、人夫
引用:「汉字密码」(Page、唐汉著,学林出版社)
唐漢氏の解釈
夫の字は一と大から成る。大は成年男子を表し、一は髪を束ねるために用いられる簪を表している。古代の礼俗によると男子は20歳になると髪に笄を加えるようになり、成年男子であることを示す(女性は15歳で成人とみなされた)
甲骨文字と金文では「夫」の字は髪を束ね、笄を挿した人の形である。このため「夫」の本義は成年男子のことである。男子の成年は結婚もでき、妻も娶ることができる。だから夫は拡張されて丈夫を指す。即ち女子の配偶の妻に相対し、「丈夫、夫君」など
夫の字は一と大から成る。大は成年男子を表し、一は髪を束ねるために用いられる簪を表している。古代の礼俗によると男子は20歳になると髪に笄を加えるようになり、成年男子であることを示す(女性は15歳で成人とみなされた)
甲骨文字と金文では「夫」の字は髪を束ね、笄を挿した人の形である。このため「夫」の本義は成年男子のことである。男子の成年は結婚もでき、妻も娶ることができる。だから夫は拡張されて丈夫を指す。即ち女子の配偶の妻に相対し、「丈夫、夫君」など
漢字「夫」の字統の解釈
大は人の正面形で、その頭に加えている一は簪飾り、男子の正装の姿である。妻も髪飾りを付けた形。夫妻とは婚礼の時の晴れ姿を写した字である。
列国期には、「太夫」の称号が用いられ、社会的に重要なものとされている。おそらく荘園的な経営地の管理者の地位にあったものであろう。
夫人・夫子という語は「夫(かの人)」という婉曲的な呼称。
大は人の正面形で、その頭に加えている一は簪飾り、男子の正装の姿である。妻も髪飾りを付けた形。夫妻とは婚礼の時の晴れ姿を写した字である。
列国期には、「太夫」の称号が用いられ、社会的に重要なものとされている。おそらく荘園的な経営地の管理者の地位にあったものであろう。
夫人・夫子という語は「夫(かの人)」という婉曲的な呼称。
まとめ
会意文字であるようだが、甲骨文字にせよ、金文にせよ、まるで象形文字であるかのように生き生きとした人々の姿が描写されている。文字の形に簡略化し、無駄を省いたデッサンとなっており、実に素晴らしい記号化、抽象化がなされていると思う。
会意文字であるようだが、甲骨文字にせよ、金文にせよ、まるで象形文字であるかのように生き生きとした人々の姿が描写されている。文字の形に簡略化し、無駄を省いたデッサンとなっており、実に素晴らしい記号化、抽象化がなされていると思う。
「漢字の起源と成り立ち 『甲骨文字の秘密』」のホームページに戻ります。
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