2017年7月3日月曜日

漢字「方」の成立ち・由来を「甲骨文字」に探る:人が向いた方向を表す


漢字「方」の起源と由来
引用:「汉字密码」(P514、唐汉著,学林出版社)

「方」は会意文字である。甲骨文字と金文の「方」の構造はよく似ている。中間の記号は生殖器である。突出した男子の側面から見た形象で中部の横置した一は意を通じた形象である。両形の会意から男子の生殖器が向いている方向である。即ち方向の意味である。

 商代では甲骨文字辞に記載された古国は、一般に土方、井方、周方の如く一人称を○方と現す。一人称だから自分のことを表現するのに○○方といっていたのだろうか。今風に言うと「私こと○○」という感じなのか。

 小篆から楷書に至る方の字の中間は「男の人」の形で、逐次変化して、象形の意味を失ってしまっている。
 要は「方」は方角という意味に使われたのと、自分を表す一人称的に用いられたのだということ。

 因みに白川博士の解釈は「横に渡した木に、死体をかけたこと」を表す。としている。古代においては死を忌み嫌う風習からきたものという。


「漢字の起源と成り立ち 『甲骨文字の秘密』」のホームページに戻ります。

0 件のコメント:

コメントを投稿