「妊」:説文では「孕」なりと説明がある。 「壬」は貫くという意味で、 女性が最初の性交を通して若妻になることを示している |
「妊」これは会意及び形声文字である。説文では「妊」即ち孕むことなりと云っているが、説文ではこれに疑念を持ている。
女と壬から成り立ち、壬は声調を表す。
図に示すように甲骨文字の任は右辺は女で左は「工」に似た「壬」である。「壬」は上古時代は、専ら針の意味を持っていた。
このことから貫き通す、通過の意味である。女性が最初の性的接触を経て、処女から若妻に替わることを表示していると考える。
「工」は工具の意味として用いられ、「左」という漢字も、手に工具を持つ意味と解釈されている。女偏に「壬」で女に何らかの手が加えられたことを意味するかの解釈もなりたつ。
金文の「妊」の字は左辺の「工」の字の中に一点が加わっている。小篆はこの点が長くなり今日の楷書になった。
字統の解釈
因みに白川博士はこの「工」という字を呪具で、古代では巫女や卜時に使っていたと推測している。これを呪具と見るか針のような工具とみるかは、文字学観にも係わる非常に重要な問題だと思う。
女子と男子の交わりは受胎妊娠となる。為に妊の字は女性の懐妊を表している。即ち妊娠で妊の字は現代漢語では、この意味で使われ続けている。
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