昨年の晩秋、由布院温泉に行ってきた。全山燃えるような紅葉を期待したが、時期的には1週間ほど早く、ただ温泉につかって帰って来た。しかし温泉はやはりいいものである。
由布院には「青湯」と呼ばれる温泉があり、御湯の色は青色で、褐色の由布岳との対比で印象深かった。李白になった気分で、気持ちよかった。
さて、ここで「吊し柿」の「吊」に注目したい。
「吊」:本来は「弔」と云う字がもっぱら用いられていたが、 「弔」が「弔問」と云う場面で使われることが多くなったため、 吊るすという意味では「吊」という俗字が使われる様になった |
もともとこの「弔」の字が「吊る」の意味の正字であったが、「弔」が「弔問」の意味に常用されるようになったため、漢字の簡体字化の時、本来異体の俗字の「吊」が正体と規定された。どうも見たところ、かろうじて人を縛った後でも、古人は未だ逃げることが出来ると考えたようだ。
だから古人は「梱」は縛る(物と一緒に巻きつける)ということで、「挂」(物の上に吊り下げる)と一体をなす。「弔(吊)」の本義は縛る、括って吊り下げるということである。又「吊」古文の中では「お悔みを言う」意味即ち慰問に用いられている。
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