2021年1月31日日曜日

漢字「節」の成り立ちと由来:竹カンムリと「即」からなる。竹節を使えば、即食器にも煮炊きもできることを字で表現した


漢字「節」の成り立ちと由来:竹カンムリと「即」からなる。竹節を使えば、即食器にも煮炊きもできることを字で表現した
 今年の節分は2月3日ではなく、2月2日だ。中国での節分の節は「节」と書く。竹カンムリではなく、草カンムリではなくである。この場合「木に竹を接ぐ」ではなく「竹に草を接ぐ」ということだろうか?
 この場合漢字「節」の持つ本来の意味は失われてしまう。機能性を追求したがために、合理性を失ってしまった典型というべきかもしれない。



引用:「汉字密码」(P198、唐汉著,学林出版社)
唐漢氏の解釈
 金文と小篆の字は竹と音声とからなる。上辺は竹冠で節の類属で下辺は即である。意味は竹節で即おわんとしても作れるし、又竹筒で即ご飯を煮炊きできる。これは一種の直ちに調理具に用いることができる材料選びだということを字で表現したもの。

 「節」は俗にいう竹の節のことだ。だから一段一段となっており、だから骨の節、関節にも拡張される。時間を一段一段分けるのにもつかわれ、季節という言葉も出来た。清明節、重陽節、春節など。 古人は竹節が竹に制約する作用があることを知っており、事物に制約の意味を産んだ。節制、節省、節約など。当人の行為が制約を受けたとき、礼節、気節、節操など。所謂、玉は壊しても白は変わらず、竹は燃やしてもその節は壊れない。これは説が道徳上意義を高めることの描写だ。

 この解釈はあまりに俗的な解釈なので、本当かなと思ってしまう。しかし、文字の解釈はこんな要素も許されてもいいのでは。しかし、金文を見る限り、実に巧みに表現されており、この解釈がそれほど突飛であるようには思えなくなる。


参考記事:
漢字「即」の成り立ちと由来:食事を山盛りにした食器の前に坐ること、節分の「節」を構成する要素になっている


まとめ
 漢字がいろいろの民族で使われるうちに変形することはやむを得ない。だからこそ、漢字の成り立ちを学ぶ中で、その歴史やその文化を担う民族性まで触れることになるので興味は尽きない。



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