2012年4月21日土曜日

「豆」の起源と由来:元々は脚の高い食器であった

 前回「食」の字の中に食器を表す「豆」が含まれていることを紹介した。今回はこの「豆」についてもう少し触れてみよう。
 今では日本でも中国でも「豆」と言えば、食べる豆のことを指す。しかし古代ではこれは、食べる豆ではなく、豆などを盛り付けた脚の高い食器を指していた。
「豆」元々は食べる豆ではなく
豆を入れる食器を現わしていた
 「豆」これは象形文字である。甲骨の文字の形体から見ると、「豆」は高い脚の皿である。中にこの高脚皿の中に付けられた物が表されている。金文と甲骨文字は相似である。ただ上部の横一線があるだけで、この一時期の銅豆或いは蓋を表示している。小篆と金文は相似であるが、真ん中の食物を表示していた横線が取り消され、楷書では「豆」と書くようになっている。
 「陶豆」は最初は新石器時代にみられた。商周の時代にはこの種は主食の盛り付けに用いられ、既に日常で常に見られる陶器になっている。1987年安陽の殷墓から出土した銅豆の中にも鳥の骨が発見されていることから、豆も肉を盛り付ける器であったとみられる。「豆」が日常食器となったことから黍の主食の盛り付けに用いられている。また「器皿」などの容量単位として用いられている。単位としては四升は一豆に等しい。
  豆類の植物の総称を豆とするようになったのは、一種の仮借の問題である。上古の豆類はと「菽」と書いた。豆は常々豆類が豆の上に盛り付けられた為に、人々は豆類を豆と称するようになった。

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