三年先には丙午(ひのえうま)がやってくる。干支や宗教の呪縛から解放され、真に自由な人間になろう!!
導入
前書き
毎年、年の後半になると翌年の年賀状の図柄が巷に溢れ、年の暮れにもなると翌年の干支に関する話題が止めどもなく溢れ出てくる。
翌年の賀状だけの話であればそ、それほど問題はないが、出生率の話に及ぶと問題は深刻になってくる。出生率の話というのは、「丙午(ひのえうま)」には、出生が著しく低下することである。これはひのえ午生まれの女性は気が強く手がつけられないという根拠のない風評により、出生を控えるということが背景にあり、長きにわたってその愚が繰り返されてきた。前回の丙午は1966年(昭和41年)で、次に巡ってくる年は2026年(令和8年)となる。
現代の日本では出生率が低下し、今や危機的状況にあるという認識でほぼ統一されている。そのような状況のなかで、3年先にはこの出生率が著しく低下することが巡ってくる。
これ以外にも、様々な風評、宗教的理由などに、人々が縛られ、本来あるべき行動から乖離せざるを得ない事象が日常茶飯事である。人間が月にも行く時代、人間がその活動によって地球をも壊滅してしまう時代に、いつまでこのような愚を繰り返すのだろうか。今や思い切って、過去の慣習や呪縛から解放され、真の自由な人間を取り戻すことが何よりも求められている。
これは人間一人一人の問題である。
本記事は以下の記事をバージョンアップしています。『漢字「卯」:2024年の干支は「卯」うさぎ年ならば、身の安全はウサギの保身術を見習ったら』
目次
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漢字「卯」の今
2023年の干支は「卯」我が唐漢氏は『古代人は、天体の規則性を人間の出生から始まる身近な事柄に当て嵌めていた。それが十二支の原義である』と説いた漢字「卯」の解体新書
「卯」という漢字は、「う」と読みます。 甲骨文字は中国の商朝から周朝の時代にかけて使用された文字で、占いや祭祀のために甲の骨や亀の甲羅に刻まれていました。その中に「卯」という形をした文字が見つかっていますが、その意味や使われ方ははっきりと解釈されていません。 また、「卯」の字形は、ウサギの姿をかたどった象形文字とする説もあります。ウサギは中国の伝統的な十二支(干支)の一つであり、「卯」はウサギの干支を表す漢字としても用いられています。 由来については、前述のようにはっきりとした起源は分かっていませんが、古代中国の文字や宇宙観に深く関連していると考えられています。干支の一部として、暦や占いに使用されることが多く、その意味合いは時間や季節とも関連しています。 なお、「卯」は日本でも使われる漢字であり、特に干支として使われることが多いです。 | |||
卯・楷書 |
卯・甲骨 金文に於いても 殆ど変化ない |
卯・小篆 文字化の過程で体裁が整えられている |
「卯」。これは象形表意文字だ。「子丑・・」から初めて4番目に位置する。
「卯」の漢字データ
- 音読み ボウ
- 訓読み う、さく
意味
- 午前6時を指す
- 方角では東、五行では木
- 十二支の「う」に用いるのは仮借
- 動物では、ウサギを指す
同じ部首を持つ漢字 印、即、卵
漢字「卯」を持つ熟語 卯、卯月、卯槌
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漢字「卯」成立ちと由来
引用:「汉字密码」(Page、唐汉著,学林出版社)唐漢氏の解釈
唐漢氏は『古代人は、天体の規則性を人間の出生から始まる身近な事柄に当て嵌めていた。それが十二支の原義である』と説いた。
この説は、通俗的であり、感覚的に受け入れ易いものである。しかし、天体の規則性を認識することと、身近に起こる出来事を結び付けるには別問題で、体系的な認識が必要で、直感的にできるものではない。
甲骨文字の字形は嬰児と胎盤が母体から出ているが、両体が共存する状態からの母親と嬰児の間の分離を見ることができる。卯の字は育産を体現しており、この苦痛であるが偉大な過程が完成した状態を示しており、一個の新しい生命の誕生を表示している。金文の卯は甲骨文字と同様であり、小篆は字形に美観と丸みを持たせ上部に横に広がりが出ている。楷書は簡単さがなくなり、繁雑になって、模倣して(猫をまねて虎を描くということわざがある)卯になった。
人間の胎盤はおおよそ400-500gで嬰児の6分の1程度である。卯の本義はもともと母と嬰児、胎児と胎盤の分離である。だから「分」と「産」の意味である。これが即ち卯の字が物象の源であると説く唐漢氏の考えである。
卯は卵の形の上の基礎になっており、卯を知らずして卵と識別する方法もない。分体の意味は子供を産むことの完成であり、だから原義は拡大され「止」の意味を持ち、ないし「留」形の源にもなっている。胎児と胎盤の割断から、拡大解釈され「殺」の意味を持ち、「劉」の繁体字の由来でもある。
漢字「卯」の字統の解釈
牲牛の肉を両分する形。
卜辞に犠牲を卯す(ころす)意に用いており、それが字の初義である。
説文に「冒なり」と同声の字をもって訓し、卜文と金文の字形は牲牛の肉を両分する形と見られる。我が国の俗説はふ古く卯の日の信仰から来たものと考えらえる。
漢字「卯」の漢字源の解釈
指事。門をむりに押し開けて、中に入り込むさまを示す。この解釈は、小篆の字形からの解釈によるもので、甲骨や金文の字形からの解釈とは異なるという批判がある。
漢字「卯」の変遷の史観
文字学上の解釈
漢字「卯」と兎
漢字の卯は動物のうさぎのことだと伝えられてきている。新年を祝う年賀状の中でもうさぎの絵柄は可愛らしさを持って新春の喜びを伝える賀詞の役割を果たしている。
しかし、今まで見てきたように卯と兎の文字の甲骨文字の形状は全く異なり、両者はまったく別の漢字と言わざるを得ない。漢字が基本的に象形文字である限り、まず象形文字が誕生し、諸々の抽象的概念はその後複雑な発展過程を経ながら生成されていくもので、漢字「卯」と「兎」はこれを見事に表現したものと考える。
兎は人間の直感を素直に表現されていることから、まず兎が生成されたものであろう。
唐漢氏の解釈は太古の人々は、全体の運動を人間の一生サイクルと捉えて胎児が産道を通って生まれるまでの過程になぞらえている。さもありなんという説ではあるが、天体の運動の規則性を人間の誕生の過程を結びつけるには論理の飛躍があると考えている。
まとめ
「卯」は十二支を構成しており、十干と合わせて干支と呼ぶ。十干十二支は戦国時代に作られた陰陽五行説よりもはるかに古い起源をもつので、陰陽五行説による説明は後付けである。また生命消長の循環過程とする説もあるが、これは干支を幹枝と解釈したため生じた植物への連想と、同音漢字を利用した一般的な語源俗解手法による後漢時代の解釈である。
鼠、牛、虎、卯…の12の動物との関係がなぜ設定されているのかにも諸説があるが、詳細は不明である。 以上のことから十二支の「卯」と動物のウサギには何の関連性もないものである。
「漢字考古学の道」のホームページに戻ります。
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