2021年3月19日金曜日

漢字の成り立ちの意味するもの:漢字「寮」は家と多くの部屋のある家で火を使う、大勢の人間がそこで居住する場所を示している


漢字の成り立ちの意味するもの:漢字「寮」は家と多くの部屋のある家で火を使うとすれば、大勢の人間がそこで居住することを示している
漢字「寮」は会意文字です。甲骨文字の「寮」の字は建屋の中で火が燃えている様を表現しています
宀+尞の会意文字廟屋を表す宀明るくすると続いて
燃える火を表し、燎の原字。




  
甲骨文字[寮」屋根を示す記号の下で、燎をしている様を示している。火が単純に燃えている様子が窺えて面白い寮「金文」
屋根を示す符合は甲骨を引き継いでいるものの、火を燃やす装置が複雑化している。
漢字「寮」_小篆
甲骨文字と金文を引き継いでいるが、その間情報は整備され、文字として整ってきている。甲骨から小篆までの間の、人間の認識の発達の過程が見えて、貴重な情報だ。


    


「寮」の漢字データ
 

漢字の読み
  • 音読み   リョウ
  • 訓読み   つかさ

意味
  • 神事を執り行う人 僚友
  • 行政組織   行政組織の建屋を同じくするもの 同僚

要素を同じくする漢字   尞 遼 療 燎 瞭




引用:「汉字密码」(Page、唐汉著,学林出版社)
唐漢氏の解釈
 「寮」は会意文字である。甲骨文字の「寮」の字は建屋の中で火が燃えている様を表現している。上部の尖頂は茅の屋根で下部のUは囲炉裏である。中間の木の柴が燃えている状態である。そばの小さな点は目に見えるはねた火の粉である。

金文の寨の字は上部の構造は甲骨文と相似であり下部の囲炉裏は2個の円形に変化している。説明にあったように、上古の囲炉裏から発展して火鉢になっている。
 因みに唐漢氏は漢字「宮」の解釈で、同様な二つの〇を建屋の中にある部屋だとし、このような多くの部屋を持つ建屋は「宮殿」と解釈している。私には氏の宮の解釈が正しいよう思える。
 その下部に一つの火の字が追加されて、火の意味を強調している。

 小篆の寮の字もこの関係で、ただ火鉢の2個の円形が合併され、「日」になっている。まさに屋根の頂部がいわゆる変化をして穴になり楷書ではまさに穴の形から屋根に回帰して「寮」と書く。



漢字「引」の漢字源の解釈
 「会意文字 芝を燃やす形+火」 明るくすると続いて燃える火を表し、燎の原字。寮、遼、僚、瞭などの構成要素になる。




まとめ
 会意文字であるようだが、甲骨文字にせよ、金文にせよ、まるで象形文字であるかのように生き生きとした人々の姿が描写されている。文字の形に簡略化し、無駄を省いたデッサンとなっており、実に素晴らしい記号化、抽象化がなされていると思う。
 漢字「寮」は家と多くの部屋のある家で竈を表して、賄いを表現しているとも考えられる

「漢字の起源と成り立ち 『甲骨文字の秘密』」のホームページに戻ります。

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