漢字「疾」にまつわる話
「疾」といえば、老齢の方は「疾風(はやて)」という飛行機を思い出すだろう。一つの言葉でも、年代により全く思い起こす言葉が異なる。疾とは太古の昔は、外傷のことを言った。そして、戦前では戦闘機の名前(注1)でもある。
注1「疾」の字の成り立ち」
「疾風」とは、第二次世界大戦時の大日本帝国陸軍の戦闘機の愛称。呼称・略称は四式戦、大東亜決戦機、決戦機など。連合軍のコードネームはFrank。
かの有名なゼロ戦は、日本海軍の艦上戦闘機のことである。
この疾という字は甲骨文字の時代(今から約4000年前)にすでに生まれているが、人を表す「大」と思える記号の腋の下に矢印が記されている。この示す意味は人が矢で負傷した様を表現した字である。つまり「疾」とは外傷を負ったことを表す記号であった。
「疾風」の生まれについて
この戦闘機「疾風」を設計したのは、小山悌という人で、中島飛行機という会社で製造され、約3,500機が製造されている。
「疾風」を生み出した「中島飛行機」という会社
さてこの「疾風」という戦闘機は、日本最初の民間の飛行機製造会社の「中島飛行機」という会社で生産されています。中島知久平という人が飛行機研究所を創設し、1918年中島飛行機製作所と改称し、後に株式会社とした。その後戦争拡大国策に乗って急成長し、三菱重工業と共に日本の軍用機製造の中軸を担った。代表的な機種は一式戦闘機の『隼』などがある。
戦後富士産業と改称した。1946年占領軍の財閥解体方針により解体されたが、富士重工業(スバル),富士精密工業(プリンス自動車工業に改称、1966年には日産自動車と合併)などに引き継がれた。
参考記事:「病」と「疾」はどう違う?」
「漢字の起源と成り立ち 『甲骨文字の秘密』」のホームページに戻ります。
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