その意味は日本語では「姦しい」の方が先に頭にくるが、中国語ではどちらかと言うと「姦淫」の「姦」の使い方がポピュラーなようだ。
そこで「姦」の漢字の成り立ちに立ち戻ってみよう。
「姦」と「奸」の両字は漢字化の過程でまさに合併してひとつの字になった。姦は奸に包括され、奸の字は姦の字の簡体字となった。
甲骨文字の姦の字は三つの女と言う字が組み合わさった一つの複合字である。その意味は、彼らの間だけで、ただ互いに話するということだけだ。女子が一緒に集まって、わいわいがやがやと争うこともなく、時には自分のことを弄ぶのは、古代社会では公開の原則に逆らってしまう。だから「姦」の意味するものは一種の私的な行為・遊びである。
説文では姦は私なりと解釈している。
奸の本義は父権制社会では私的な遊びと言うことだ。後には女子が男と発生した性の関係を指すようになった。すなわち「通奸」である。 また偽善・ずるいことを指し、諸葛亮「出師表」の如く、「姦凶を払い除け、漢室を復興し、旧都に帰る」ここでの姦凶は儀義道徳を指し、密かに男盗女娼のずるい輩の事を指す。
古漢語中「姦」と「奸」の字は相通じるもので、奸淫は姦淫とも書く。但し奸臣と表示したときは「姦臣」とは書かない。ここでは「奸」の中の「干」が権力を弄ぶの意味で、姦は即ち「密かに」という意味を表す。
「漢字の起源と由来ホームページ」に戻ります。
|
0 件のコメント:
コメントを投稿