古代人の感性
古代の文字を見ていて、中国の古代人の描写能力と感性にはつくづく感心する。おそらく日本人もそうであったろうが、人間の能力や感性が、人間が社会で生活するようになってから急速に減退したのではないかと思う。
ここに上げる「尿」や「屎」は、一見しただけで「そのまんまじゃないか」と感じるものなのだ。少し前に触れた「乳」という字もそうであったし、「孕」という字も実に言い得て妙があるものだ。
「尿」原義は立ち小便

先民が野蛮な時代が終わって、後世の儒家はこの字を見て品がよくないと感じるだろう。因みに小篆では尾と水の会意で、排尿をしている動作を表している。実際上、この図はさらに母畜がさん尿をしている情景に非常に近いが、甲骨文字ほど明白で直接的ではない。図の示すところによれば、小篆の尿は甲骨文字の造形とは同じではないが、但し意味と文字の本義は完全に同じである。
屎の原義は糞便:字はそのまんま
このため、屎の本義は糞便である。
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1 件のコメント:
漢字より、甲骨文字の方が覚えやすいかも・・・・
古代人のセンスすばらしいです
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