君の意味するものは、「恋人」「あなた」か、はてまた「天皇」か、古代文字に見る社会の姿は如何に
君という字は、[恋人]とか、「君主」を表すとか、「天皇」を表すとか俗説が巷に溢れている。そこから、「国歌」の「君が代」は天皇を崇め奉る歌だとか諸説紛々としている。
しかし、日本という国家がまだ存在しない時代に作られた漢字の「君」という字はいったい何を表すだろうか?
甲骨、金文、小篆および楷書は、すべて「尹」の下に「口」加えたもの。 |
「尹」は統治に使う「笏」を手に持っている形であり、口は命令を発する口を意味する。(「字統」によれば、サイを表すとしている)。この両者の会意文字で、「笏」を手にもつ。つまり、「君」は統治の意味を持つ笏を持つだけでなく、命令を出すことができる「口」も持っています。笏を握って号令を出すものを意味します。
人間社会の現実の姿を字に映し出した「君」
古代の書物「儀礼•喪服」では「君は尊ぶなり」と解釈されています。君の本来の意味は号を発する指令者として、すでに帝王に昇格している。人と人の間の階級、つまり動物集団の生活から生まれた階層は、本来個体間の肉体的と知能の間の先天的な不均衡から来ています。しかし、富と武力によって具現化された抑圧と搾取は、即ち人間社会の不平等の現実です。
[君]という寺が生まれた当初は、それは、笏丈を持つものとして権力者を表していたが、封建社会には、君は世界のあらゆるものの主人となり、権力構造の頂点に立つものを表す字として解釈されるようになったのではなかろうか。
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字統には、この文字は「象」象形文字としている。その上で、卜辞からの引用として、「殷王の狩場の範囲にも像が生息していたことが伺えるとしている。この他、古文書の記録から象が中国の各地で広範囲に生息していた記述を見つけている。そして、「象」という字を象徴の意味に用いるのは、直接この辞からは引伸しがたいので、他の同様の音の字からの仮借ではないかとしている。