漢字一文字で「牢屋」を書くと、囹(国がまえの中に令）と書きます

漢字「囹」の意味は分かりますか？
　ずばり、牢屋という意味です。囲いに囲まれた冷たい所は牢屋を表します。
　元号「令和」で、一世を風靡した「令」にも、こめられた思惑とは、まるっきり異なる意味を持ち合わせているわけです。
　漢字とは、そもそもこういうものです。

　日本では、言霊文化があり、言葉の成り立ちを理詰めで考えるより、フィーリングで感じる文化がどちらかというと優勢でした。それがどちらかというと、日本語の美しさを保つ所以だと考えられていた時期もありました。
　しかし、人々の考えも多様になってきた今日では昔ながらの「言霊」文化はそろそろ見直さなければならない時期に来ているといえます。

出典：「管子 五輔」（出典は春秋戦国時代の管仲の作といわれる）

「囹」の字の成り立ち」
　この字は甲骨文字の時には未だ出来ていなかったようだ。最初に文献の中に出現したのが、春秋戦国時代に現れたようです。
　なぜこの字を持ち出したのかというと、「文字には、いい文字、悪い文字といった性格は初めからそもそも持ち合わせていない」ことを言いたかったのです。



漢字源の解釈
　囹はかこいを表す「囗」に音符「令」が合成されたもので、冷と同系で冷たい牢屋を表す形声文字です。

字統の解釈
　形声字。声符は令。「令」は人が起居する形。説文には「獄なり」とあり、獄舎をいう。

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