漢字の成り立ちと由来:漢字「御」に込められた祖先の切なる想いとは何? それは子宝と成長だった!
漢字「御」の読み方、呼び方
- 訓読み おん 例)御中 お 例)御前 み 例)お御籤
- 音読み ぎょ 例)御意 ご 例)御飯
- 使い方 ①敬意やていねいさを表す語。「御挨拶」「御覧」
②皇室に対する敬語 「御物」
③あやつる。「御者(馭者)」「制御」
④おさめる。支配する。つかさどる。 「統御」
⑤ふせぐ。まもる。 「防御」
漢字「御」の解釈
漢字「御」唐漢氏の解釈
引用:「汉字密码」(824、唐漢著,学林出版社)唐漢氏の解釈
"御"の本の字は"禦"です。これは会意文字です。甲骨文字の「禦」の字は右側には跪いている男の人が見えます。左辺は「示」の献卓があります。真ん中には臍の緒を示す記号があります。会意文字で子供を授かることおw願う祭祀を指しています。金文の「禦」の字の形象は特にはっきりしています。小篆は禦の字の形態は整合がとれていて、併せてギョウニンベンの旁が滑らかに表示されている。楷書はこの縁で禦とかく。簡体化で御の字が禦の簡体字となりました。
"禦"は《説文》では「祀なり」としています。上古時代は高出生率、高死亡率で、極端に低い生育率が基本的特性でした。統計に基づけば有史以前は、嬰児の死亡率は高く、0.5以上にも達した。旧石器時代の世界人口の増加率は100年で1.5%を超えなかった。新石器時代でも4%を超えなかった。この為氏族と部落の生存は出生率と成活率にかかっていた。その意義はことのほか尋常ではなかった。人類の有史以前の生殖崇拝と育産祭祀は非常に旺盛であった。
漢字「御」の由来と成り立ち:子宝を願う神へ強いの祈りを体現
"御"はこの歴史の産物である。春秋以降は人口の数量は大きく増加し、血族群団は地域社会に取って代わられ、人口の多寡は、再び氏族の存否の主要な要件になることはなかった。このために人口の繁衍を希求する禦祭は消滅することになった。
漢字「御」の字統の解釈
字統の解釈 声符は卸。卸は御の初文。
漢字「御」は「禦」の初文という。唐漢氏とは全く逆の解釈となる。たしかに「禦」をよく見てみると、金文までは字形の下に祭卓を表す「示」が出ていない。ということは金文までは「御」も「禦」も全く同じ字形であったとなるか、そもそも禦という語は金文の時代までは存在せず、「御」という言葉しかなかったといえるのかも知れない。
漢字源の解釈
会意兼形声。原字は「午(きね)+卩(ひと)」の会意文字で、堅いものを杵でついて柔らかくするさま。御は「馬を穏やかにならして行かせることを示す。
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