気ままな散歩

2021年2月23日火曜日

漢字「飯」の由来と成り立ち:漢字から当時の食糧事情が分かる?


漢字「飯」の由来と成り立ち
 ヴィキペディアによると、『日本語の「めし」は、「食ふ(食う)」の敬語のうち尊敬語である。「召す」に由来する。現在はややぞんざいな表現になった。』とある。

穀物の生産は、中国では5000年前の遺跡から各種農機具と共に、粟、黍、稲、麦、豆、麻など主要糧食作物が栽培されていたことが分かっている。日本では3500年前には朝鮮半島に先駆けて稲作が行われていたことが判明している。漢字「飯」もそのころからの付き合いになるだろうと予測される。



引用:「汉字密码」(P661、唐漢著,学林出版社)
唐漢氏の解釈
 "飯"、これは一種の会意・形声文字です。金文の「飯」という言葉は左右の結びついた構造です。左側は食べ物を表す「食べ物」、右側は「反」文字を表します。つまり、手の甲は体の後ろにあり、食べないという意思です。 小篆の「飯という言葉は、金文を受け継いで「食と反の音声」からなる形声字に進化します。楷書はこの縁から「飯」と書く。簡体化から「饭」と書く。 「飯」の本来の意味は、外出時に食べられる食べ物です。 仕事の終了後または一段階後の食事のことで、拡張して「朝食、昼食」などの毎日の決まった食事のことをいう。

 古代の人々が、外出時に食べられる食事のために、特別な言葉を使っていたとは考えられないので、この説明には少し疑問が残る。


字統の解釈
 漢字「飯」のなり立ち、由来:声符は反。説文に「食らうなり」とあり、黍稷の類を食べることを飯という。この類の飯は箸を用いず指で摘まんで食べた。この時親指を主として用いるので、親指の根元を販という。ここで、字統の解釈が少し気になる。なぜ箸を使わなかったのか。ご飯がパラパラで箸を使うのに向いていなかったのか。古代の中国で特に北方では水稲が行き渡っていなかったため、稗、粟、コーリャンが主食だったのかも知れない。



漢字源の解釈
 会意兼形声。「食+音符反(バラバラになる ふやける)」で、粒がふやけてばらばらに煮えた玄米の飯。

 

まとめ
 唐漢氏の解釈と字統の解釈は真逆のものであった。ただ、当時の糧食が、ぱさぱさで指でなければ食べにくいものであったのは共通して言えるのかも知れない。

「漢字の起源と成り立ち 『甲骨文字の秘密』」のホームページに戻ります。

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