気ままな散歩

2021年2月14日日曜日

漢字「情」と「愛」の由来と成り立ちは? 「情」は「愛」ではないの? これが分かれば、人間が分かる?


漢字「情」と「愛」の起源と由来:「情」は「愛」ではないの?これが分かれば、人間を深く理解できる
 2月14日はバレンタインデーだ。日本語で言うとさしずめ「恋人の日」とでもいうのか、中国語で、「情人節」という。日本語の感覚から言うと、随分生々しい感覚を受ける。
 恋人は中国語で情人、日本語で愛人は中郷語で情婦というらしい。(googe翻訳による)この翻訳が正しいのかどうかもわからないが、日本語と中国語では同じ漢字を使うとしてもずいぶん異なる。

 日本語の中でも、愛情と情愛の違いが分からなければ、人の機微を理解したとは言えない。

そこでこの際以前投稿した記事を見直し、愛と情について見直しをしたい。

引用:「汉字密码」(P885、唐汉著,学林出版社)
「字統」の解釈
 白川博士は「字統」の中で、「愛」について、「後ろを顧みて立つ人の形を表わす字形と「心」の会意文字である。
 後ろに心を残しながら立ち去ろうとする人の姿を写したものであろうとしている。確かにこちらの方が私たちの感覚にはよく合う。
 説文では、「恵」の古代文字を出して「恵」なりとしているということだが、これは、「愛」と同字異文であるとしている。白川氏は、この字を評して、「人の真意を字形に写して巧妙を極めている」といっている。

 小篆の字形の形態は美しいが、却って象形の趣を失っている。楷書は隷書を経て「愛」に変化した。

 漢字の簡単化の中で、心は省略されて現在に至っている。  現代中国語の「爱」はもともとの漢字の持つ意味や情感が失われてしまっている。少し皮肉っぽくいえば、現代中国の簡体字の「爱」では、「心」が失われてしまっているように思うのだが・・。愛には心が必要だ!!



「情」の字の成り立ちと漢字の持つ意味を字統より
 漢字「情」の成り立ち:声符は青。《説文》に「人の陰気にして欲あるもの也」という。性を陽、情を陰とする考えは漢代性情論に一般的なものであった。後に性は「体」,情は本能的なものとしている。即ち本能的な欲望を[情]としている。

 因みにここでいう「青」は古くから丹朱、丹青として鉱物質のもので変色せず腐敗を防ぐ力があると珍重された鉱物質を取り出すために深く井戸型に掘り下げていくものを丹井といった。その井戸の中にある石が丹青であることを示したことからこの字が使われた


「愛」と「情」の狭間で
 「愛」は心を後ろに残しながら、決めかねて揺れ動く気持ちを表現したものである。一方「情」は情念といわれる如く、もっと本能的な人間の欲を表現したものである。やはり「情」は「愛」は似て非なるものなのかな?  


「漢字の起源と成り立ち 『甲骨文字の秘密』」のホームページに戻ります。

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