漢字の面白さがそのままの形で分かる。誰から見ても門は門だ。門柱を2本だけ立てたものではなく、門柱に横木を渡して門の形を整えているのは、考えることはみな同じといえる。
この文字を基にして、間、閉、関、開などの漢字が生まれた、まさに基本中の基本の漢字といえる。
引用:「汉字密码」(P736、唐汉著,学林出版社)
象形文字である。 門柱の上に横木を渡し形を整えたことは字からも読み取れる |
ようこそ、漢字考古学の道へ
漢字考古学とは?
今漢字の総数は10万字ぐらいだろうと言われてる。
これらの全ての漢字、一つ一つに意味があり、起源と由来があり、それぞれ歴史を持っている。
このブログの使命はこれら漢字の起源と成立ちを明らかにし、その背景を探る中で、人間の営みの歴史を詳らかにすることにあると考えている。
象形文字である。 門柱の上に横木を渡し形を整えたことは字からも読み取れる |
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漢字「無」の由来:「舞」という字の初文。無心に舞い狂う祖先の姿が見えてくる。
甲骨文や金文からは紛れもなく、この字が「舞うこと」を表していたであろうことが良く分かる。
甲骨文字は実に生き生きと人々の生活を表している。おそらく祖先は祭りや神への奉納の中で、踊り喜びを表現していたであろう。それを表した字が「無」なのだろう。後にこの字の下に両足をつけ、全身で踊る姿が体現されたと考えられる。
甲骨文では手足に飾りをつけ、エクスタシーになって舞い狂う祖先の姿が見えてくる。古代に「無」という概念が在ったのかどうかは分からないが、おそらく無我の境地と現実の「舞う」という行為を字で持って区別したのだろうと思う。
本稿は、2020年12月4日金曜日にアップロードしたものに、加筆修正したものである。
漢字「舞」の楷書で、常用漢字である。 但し、舞の原字は「無」で、初めは舞うことを「無」で表現していたが、有無の概念を専ら「無」で表すようになり、舞うことは無の下に足をつけて踊ることをリアルに表現した。 | ||
舞・楷書 | 無:舞の原字・楷書 |
舞・甲骨文字 |
舞・金文 |
舞・小篆 |
「無」は「舞」という字の初文でもある。甲骨文の「無」という言葉は絵文字である。人物(大)の両側には、木の葉のように見える舞踊小道具があり、全体像は両手で踊る姿のようである。実は、これは松や松明を持って焚き火の周りで踊り、火の周りで踊る古代の祖先である。松とヒノキの枝の絵による表現を追加する。
金文の字「無」は甲骨文を継承しており、枝や葉の形がわずかに変更されていることを除いて形状は似ている。
小篆の字体は人間の姿を表す「大きな」文字を上に移動し、隷書で改変され、さらに楷書は「無」に変更されている。中国語の文字を簡略化の中で、俗体字が簡略化した文字として使用する。
「無」という言葉は、先祖の踊りに由来している。松とヒノキの枝と葉を持って焚き火の周りで踊り、最後に松とヒノキの枝と葉を火の中に投げ込む。ダンスの終わり曲も終わり、手は空になり、火は消え、何も残りません。したがって、ダンスの「無」という言葉は、別の意味に拡張され「舞」という言葉が作られ、ダンスを意味するようになった。
もと象形文字で人の舞う形。後に無に両足をつけた舞が舞楽の字となり、 無はもっぱら有無の無、否定の言葉に用いる。説文に「豊なり」と訓し、字を林に従う字と形とするが、それは小篆の誤った字形による解釈である。
漢字源による解釈 形声文字である文字は人が両手に飾りを持って舞うさまで、後の舞の原字である 古典では「无」でも表すことが多く 中国の簡体字でも「无」を用いる
舞の初形である無には、その両袖に羽(羽飾 じゅしよく り)のような呪飾をつけており、おそらく羽舞を行なったもので、それが古文の字形に残されているのであろう。
無は、「有無」の無にもちいられるようになり、本来持っていた、舞という意味では用いられなくなった。言葉の意味を区別するために、「舞」の下に意味記号「舛」(二つの足の形)が追加された。
甲骨文字は実に生き生きと人々の生活を表している。おそらく祖先は祭りや神への奉納の中で、踊り喜びを表現していたであろう。それを表した字が「無」なのだろう。後にこの字の下に両足をつけ、全身で踊る姿が字に体現されたと考えられる。これぞロマンだ!
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