漢字「不」の起源と由来
引用:「汉字密码」(P489、唐汉著,学林出版社)
甲骨文字の中で「不」の字の、上部は逆三角形で、まるで女性の陰卓の形状である。このことから女性の生殖器を表わすようになった。実際上、世界の多くの民族は両性の符号を陰卓部位の陰毛の形状で表わしている。 たとえばインド教では。等辺三角形は性の表示を示し、上向きにとがったものは男性、即ち男陰部、下向きに尖っているのは女性、即ち女陰部を示す。
このことから「不」の上部の▽は女陰の象形のデッサンである。下部の縦線の流れのような線は女性の月経を表している。だから「不」の本義は女性の月経であり、この短い一時期は性交を拒絶することを示している。
なぜこのような解釈が可能になったのか
原始社会の末期、上古先民は既に月経期の性交が不衛生であることを認識していた。さらに鮮血の忌み嫌う文化により、心理的に定着し、月経時期の性交は絶対禁止と見られるようになった。「不」は女性の拒絶を表示し、女性が嫌だといえることを表示し、この権利の拡張である。以来「不」は一般的に否定の意味に用いられるようになった。
現代の「不」の用例
[不刊之论、不可救药、不一而足]の成語中不の字は全て否定の意味である。不の字を動詞の前面に用いた時、ある種の願望的否定で、たとえば「我不子、我不去」等。
白川博士の解釈
「不」はもとは象形で、花のガクの形であるが、この字が本義で用いられることはない。しかし、現実は仮借である、否定の意味に用いられていると説いている。
後書き
「不」の字を見て、花のガクと見るか、女性の陰部と見るかにより、その後の展開は当然大きく異なる。
唐漢氏の解釈は、これは本当かなと思う台詞である。あまりにもうがった見方ではないだろうかと思ってしまう部分はある。少し露骨過ぎて品がないように思う。学問の世界に品などというものを持ち込むことは許されないかもしれないがこの部分は少し腰が引けるところでもある。翻って見ると、古今東西、逆三角形は、器とみなされ、女性の象徴のように捉えられ、逆に三角形は男性の象徴のように見られてきたのは事実である。
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