気ままな散歩

2025年9月8日月曜日

【漢字と感情の起源】協力による労働はなぜヒトを進化させたか? 言葉に隠された物語

【漢字と感情の起源】協力による労働はなぜヒトを進化させたか? 言葉に隠された物語


協働から生まれた感情の進化プロセスを明確にし、その感情を表現するための漢字の誕生の過程を跡付ける!



     

導入

このページから分かること
  1.  協力の進化: 人類が生き残るために獲得した協力行動は、間接互恵性というシステムを構築し、そのシステムを駆動するために感情を進化させた。

  2.  言葉の誕生: 感情や共同体の思考を表現する必要性が、象形文字から会意文字へと進化する漢字の誕生を促した。

  3.  情報の伝達: 漢字の高密度性は、複雑な概念を効率的に伝達する共同体の知的インフラとなり、文明の継承を可能にした。
 

目次

  1. 序章:感情と漢字を結ぶ「協働」という物語

  2. 第1章 感情の進化 — 生存から協働へ 人類の進化、協力行動、感情の起源
     第1節 ヒトはなぜ「協力」を進化させたのか  人類の協力行動の優位性
     第2節 最新研究が示す「感情」のメカニズムと起源 脳科学・心理学研究

  3. 第2章:漢字の起源 — 共同体の思考の結晶 漢字の字源、原始文字
     漢字「情」と「協」の字源に見る協働の痕跡
     漢字「協」と「情」の字源分析
     甲骨文以前の「原始文字」が語る歴史
     良渚文化、半坡遺跡の文字

  4. 第3章:学術的観点からの論点精査(III)— 甲骨文以前の文字と漢字の優位性
     表音文字と漢字の特性比較から考える言葉の力
     漢字の優位性の再考
  5. 結論:協働が育んだ感情と言葉の物語

序章:感情と漢字を結ぶ「協働」という物語

 人類の感情の起源を深く探ると、元来、孤独を好む類人猿であったヒトが、数百万年前に絶滅の危機に瀕し、互いに助け合う必要に直面した際に、感情という能力を獲得したという説があります 。
 そして人間が感情を獲得するまでの間、長きに亘って、飢え(飢餓)、渇き、性欲といった生理的動因といった情動のみで生きていたのではないかと考えています。

人類の進化の過程(河田雅圭東北大学教授)
脳の模式図(マクリーンの三位一体論)
マクリーンの三位一体論の脳の模式図
これは、感情の出現に深い進化的なタイムラインを提供するものであり、感情が単なる精神的な状態ではなく、生存戦略の一部として形成されたことを示しています。


 そして、ひとたび人間が感情を獲得すると、爬虫類脳、哺乳類原脳、新哺乳類脳(大脳新皮質)と猛烈な勢いで脳を発展させたのではないかと想像します。もっとも、これは素人の空論に過ぎませんから、後は専門家の方にお任せします。
 ということで、人間が長い間、感情というものを持たなかった。誤解を恐れずに言うと爬虫類脳には感情がなかったという仮説が成立します。



第1章 感情の進化 — 生存から協働へ 人類の進化、協力行動、感情の起源

第1.1節 ヒトはなぜ「協力」を進化させたのか

 人間は、ゾウやシャチのような個体としての生存能力は高くありません。しかし、地球上のあらゆる環境で繁栄し、生態系の頂点に君臨するに至った鍵は、血縁関係のない他者とも大規模で安定的な協力を行える能力にあります。この協力行動は、短期的な自己利益と集団の長期的な利益が対立する「社会的ジレンマ」をいかに乗り越えるかという進化的な課題から生まれました。

  人類の協力行動の優位性
 このような大規模な協力システムを可能にした中心的なメカニズムの一つが、「評判」という情報が介在する間接互恵性です。
 直接的な「give and take」(直接互恵性)とは異なり、間接互恵性は、他者への協力行動が「良い評判」として社会に広まり、その評判を通じて、後に別の第三者から協力を得ることで長期的な利益を確保する仕組みです。  

 この「評判」システムは、短期的な自己利益を追求する「裏切り者」を抑制し、協力を促すための見えない社会インフラとして機能します。このシステムを成立させるためには、単に他者の行動を観察・評価する能力だけでなく、他者の心の状態や意図を推測する共感性や**「心の理論、そして自身の評判を気にする羞恥心**といった感情が不可欠でした。

 これらの感情は、単なる個人内の反応ではなく、協力的な社会システムを構築し、維持するための「社会的道具」として進化してきたと考えることができます。
ゾウやシャチのような個体としての生存能力は高くありません。なぜ、ゾウやシャチにないものが、人類には携わったのだろうか、極めて不思議なことに思われます。

 ゾウやシャチが自分の評判を気にして行動しているなど聞いたことがありません。彼らは常に自分の優位性だけを主張しているように思うのです。

 むしろ、人間は、それ程の個体としての生存能力がないからこそ、逆にこのような奇妙な能力を勝ち得たのだろうか。そのメカニズムが明らかになることを願います。



 

第1.2節 最新研究が示す「感情」のメカニズムと起源

脳科学・心理学研究


記事では、「情動(drives)」と「感情(emotions)」を区別し、感情が情動に主観的な認知が加わったものと定義されています。この定義は、最新の研究とも整合性があります。例えば、心拍や呼吸、汗といった生理情報から心の状態を把握する「経時計測」技術の進展は、感情が単なる主観的なものではなく、身体的な情報と密接に結びついていることを示唆しています。
 また、食物に対する無意識の感情処理メカニズムを解明した研究( 1 )は、感情が意識的な思考以前の、より根源的なレベルで働いていることを示します。共感能力が「心の理論」(他者の心を推測する能力)や脳の特定の領域によって担われているという研究( 2 )は、協力に必要な感情が、生物学的・神経学的な基盤の上に構築されていることを示唆します。


第2章:漢字の起源 — 共同体の思考の結晶 漢字の字源、原始文字

「漢字は協働の中で作られた」という仮説は、単なる概念的な結びつきを超えて、具体的な漢字の成り立ちからその思想的背景を読み解くことで、より説得力を増します。本章では、漢字「協」と「情」の字源から、古代の人々の共同体的な思考を探ります。

第2.1節 漢字「情」と「協」の字源に見る協働の痕跡

漢字「協」甲骨文字(鋤が三本並んで協力して耕作する様子が覗える
漢字「協」甲骨文字
鋤が3本並んで協力して
耕作する様子が覗える
    漢字「協」と「情」の字源分析

  • 漢字「協」の字源には複数の説があります。「十(おおい)」と「劦(力が集まる)」から成り、力を寄せ集める意を表すという説( 1 )や、「耒(すき)」を三本並べた形から、農耕に協力すること、すなわち「共耕」を意味するという説( 2 )が知られています。これらの説は、いずれも集団的な行動や協調性が、この漢字の根源的な意味を形成していることを示しています。漢字「協」は、古代の共同体が、個人の力を集約して大きな成果を上げることを重要視していたことを雄弁に物語っています。



  • 漢字「情」の字源:
  •  漢字「情」は、心と音符である青からなる形声文字であると説明されます。
    漢字「情」小篆
    漢字「情」小篆
    甲骨文字の時代にはなかった
    しかし、この字源にはさらに深い共同体の思考が隠されています。
     「情」の字源にある「青」は、単なる発音記号ではなく、「汚れがなく澄み切っている」というコアイメージを心理的な「混じり気のない本当の気持ち」に転用した、高度に抽象化された思考の産物であると考えることができます。「青」は、草が芽生える様や井戸の中にある水の情景から「清らか」というイメージを持つに至りました。この物質的な観察から得られた知見を、感情という非物質的な概念に転用し、他者との関係性の中で生まれる「真心」「情緒」「愛情」といった複雑な概念を表現するに至ったプロセスは、共同体内で概念を共有・抽象化する高度な思考の現れです。

     この抽象概念の形成プロセスは、個人ではなく集団的な認識と思考がなければ成立し得ません。このように、漢字の成り立ち、特に形声文字の意符や音符が持つコアイメージを読み解くことは、協働が言葉を生んだというお客様の仮説を、具体的な文字の形成プロセスから論理的に補強するものです。


  • 第3章:学術的観点からの論点精査(III)— 甲骨文以前の文字と漢字の優位性

     

    第3.1節 甲骨文以前の「原始文字」が語る歴史

    中国古代文化:半坡遺跡・良渚文化等地図
    古代文化地図:黄河・揚子江流域に繫栄した


    良渚文化

     良渚文化の原始文字は、約5900年から6000年前に遡る良渚文化の遺跡から発見された刻画符号です。これらは甲骨文字より1000年以上前の文字であり、現存する最古の中国文字の可能性もあります。しかし、これらの符号が早期の文字かどうかについては議論があり、殷の甲骨文字や現代漢字との関連性もまだ解明されていません。
     ここに見える符号は黄河流域周辺の遺跡から出てきたものとは著しく形が異なっているということです。黄河文明の甲骨文字とはまた違う異質のもののようでますます、興味がわいてきます。






    半坡陶符・半坡遺跡出土の考古る文字の原型ではないかとも云われる
    半坡陶符・新石器時代:文字の原型?


    半坡遺跡

     半坡遺跡(はんぱいせき)は、中国の陝西省西安市灞橋区滻河東岸の新築街道半坡村に位置する新石器時代の遺跡。6000年くらいの歴史があり、黄河流域の典型的な母系氏族社会の集落でした。半坡住民の石で作った農具、狩猟道具及び栗と野菜の種もここで発見されました。市内より東8キロの台地に位置し、仰韶文化に属する典型的な母系氏族集落遺跡である。

     半坡遺跡から出土した「半坡陶符」は、漢字の起源とされる新石器時代の記号ですが、まだ文字として確定しておらず、解釈や意味について研究者の間でも意見が分かれている段階です。殷の時代の甲骨文字のような具体的な事物を表す体系を持っていた可能性はありますが、文字として定説になっているわけではなく、一部の研究者は装飾文様と見なす場合もあります。

     これらの考古学的発見は、漢字の起源が、伝説的な「蒼頡」のような一人の人物によって単一の場所で生まれたのではなく、中国各地で数千年にわたり繰り返された「記号による情報の記録」の試行錯誤のプロセスであった可能性を示唆しています。甲骨文字は、その広範な試行錯誤の末に、特定の共同体(殷王朝)で標準化・洗練された「完成形」に過ぎないと考えることができます。この「広範な試行錯誤」の歴史は、お客様の「広範な象形文字の使用」という主張を、より厳密な時間的・地理的文脈で裏付けるものです。


    第3.2節 漢字の優位性

     「他の表音文字に対する漢字の優位性」という主張は、客観的な比較へと議論をシフトすることで、より説得力のあるものとなります。
    • 漢字の特性:
      •  
      • 情報の高密度性: 漢字は「士」「使」「師」のように同音異義語を視覚的に区別できるという利点に加え、一文字が複数の意味や概念を凝縮して表現する「情報の高密度性」という特性を持ちます。例えば、「協」という一文字が「力を合わせる」「農耕」「十人の集まり」といった多層的な意味を内包するように、漢字は単語のパッケージとして機能し、複雑な抽象概念や思想を効率的に伝達する上で、表音文字を凌駕する可能性があります。
      •  
      • 時空を超えた伝達: 漢字の表意性は、発音の地域差や時代の変遷を超えて意味を伝えることができるため、異なる時代や地域の文化・知識の継承に貢献してきました。
       
    • 表音文字の特性:一方、表音文字は、文字数が少なく、学習が容易という大きな利点を持ち、識字率の向上に貢献しました。
    •  
    • 再考:「優位性」という言葉は、特定の文脈(学習の容易さ vs. 情報の凝縮性)によって評価が変わり得ます。お客様の記事では、「情報の高密度性」という観点から、漢字が共同体の知的インフラとしていかに優れていたかという点に焦点を当てることで、論点をより明確にすることができます。
    •  
    • 歴史の証明:甲骨文以前に良渚文化の原始文字や「半坡陶符」などが歴史上に現れましたが、すべてが消滅しています。理由は様々あろうが、いえる事実はただ一つ「甲骨文字だけが生き残った」ということです。このことが漢字の優位性を見事に証明していることになると考えています。


    結論:協働が育んだ感情と言葉の物語

     「協働から生まれた感情の進化プロセスを明確にし、その感情を表現するための漢字の誕生の過程を跡付ける!」ことがこのブログのミッションでした。

     約200万〜30万年前本能のままに生きていた私たちの祖先は、たびたび襲ってくる地殻変動や気候の激動の中で、協働するうちに仲間と協力する喜びの感情を獲得しました。そして、その喜びを分かち合う手段としての言葉が使えるようになりました。
     やがて社会が発展し、話し言葉だけではなく漢字まで使えるようになりました。このことは人間自身にも大きな変革をもたらし、とてつもない能力を持った人類として地球を制覇することになりました。

     以上のことをこのブログでは、確認することが出来ました。
     さて、このように人類は、とてつもない変化を遂げたわけですが、今人間の活動で、地球が破壊されかねない事態に陥っていることは。皆さんも疾うに気付いていると思います。
     皆さんはこれから先、どう生きますか?
     何にもない地球に、何とか気持ちよく住まわせてもらえるようしたのですから、これ以上を地球を壊さないように、大切に守っていきませんか?
     一人一人が気を付ければ、きっと何とかなるはずです。一人一人の気持ち・感情が何より大切ですから・・。共に頑張りましょう!




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    「漢字考古学の道」のホームページに戻ります。

    2025年9月4日木曜日

    感情と漢字の物語

    <a href="https://asia-allinone.blogspot.com/2025/09/HeartEmotn.html">感情と漢字の物語</a>

    言葉に隠された「心」を探す旅へ

    「愛」という漢字の中に「心」があるのはなぜだろう?と考えたことはありますか?
    私たちが毎日使っている漢字には、実は古代の人々が感じた喜び、悲しみ、怒りといった感情が、絵のように刻まれています。このページでは、漢字の成り立ちを紐解きながら、感情がどのように形になってきたのかを探る旅にご案内します。一つ一つの漢字に隠された物語を知れば、あなたの言葉の世界はもっと豊かになるはずです。

    第1章:すべての感情の源、「心」の部首

    多くの感情を表す漢字には、心臓の形から生まれた部首「心(こころ)」や、その変形である「忄(りっしんべん)」「⺗(したごころ)」が使われています。これらは感情が心から生まれることを示しています。下のカードをタップして、心に秘められた物語を見てみましょう。

    あい・愛しい

    【成り立ち】

    「心」と、人が振り返る姿を表す文字から成り立ちます。誰かを想い、心が惹かれて振り返ってしまう様子から「愛」という感情が表現されました。

    かなしい

    【成り立ち】

    「非(あらず)」と「心」を組み合わせた形。心が引き裂かれ、本来の自分ではないような状態になるほどの辛い気持ちを表しています。

    いかり・おこる

    【成り立ち】

    「女」と「又(手)」そして「心」から成ります。心が何かに強く掴まれたような、激しい感情の高ぶりを表していると言われています。

    こい

    【成り立ち】

    糸が絡み合う様子と「心」を組み合わせた形。心が乱れ、相手への想いが断ち切れない、切ない気持ちを表現しています。

    感情を表す漢字と「心」の部首

    常用漢字のうち「感情」に関連する漢字の中で、どれくらいの割合で「心」の部首が使われているか見てみましょう。このグラフから、「心」が感情表現の核となっていることが一目瞭然です。

    第2章:心だけじゃない!体と自然が語る感情

    感情は心だけで感じるものではありません。嬉しい時には顔がほころび、楽しい時には体が弾みます。古代の人々は、そうした体の反応や、身の回りの自然の様子からも感情を読み取り、漢字で表現しました。

    体の動き・表情から生まれた漢字

    【喜び・よろこぶ】

    上が楽器の「鼓」、下がそれを置く台の形。「口」を加えることも。楽器を鳴らし、祈りや祝いの言葉を述べる「喜び」の場面を表しています。

    【憂い・うれえる】

    頭を抱え、足を引きずる人の姿から。心配事で心が重く、うつむいて歩く様子から「ゆううつ」な気持ちが表現されました。

    自然の情景から生まれた漢字

    【安心・やすい】

    家(宀)の中に女性(女)がいる形。家の中に女性が静かにいる様子が、平和で「やすらか」な状態の象徴とされました。

    【寂しい・さびしい】

    家と、音を表す文字の組み合わせ。家の中にいても物音がせず、ひっそりとしている様子から「さびしさ」を表すようになりました。

    まとめ:漢字は、感情のタイムカプセル

    ここまで見てきたように、漢字は単なる記号ではありません。一つ一つの文字には、古代の人々が抱いた感情、体の感覚、そして目にした風景が封じ込められています。

    + + 自然 = 豊かな感情表現

    私たちが「悲しい」と書くとき、それは単に気持ちを伝えているだけでなく、心が引き裂かれるような古代人の痛みをも追体験しているのかもしれません。「楽しい」と書くときは、楽器を奏でた祝いの響きがそこに含まれています。

    次にあなたが漢字を書くときは、少しだけ立ち止まって、その文字に込められた何千年もの人々の「心」を感じてみてください。言葉はもっと深く、もっと面白くなるはずです。

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    2025年9月3日水曜日

    【漢字考古学】感情は協働から?人間の進化と言葉の起源に隠された物語

    【漢字考古学】感情は協働から?人間の進化と言葉の起源に隠された物語

    サブタイトル:人間が最初に抱いた感情は・・・?

    仕事の中でアイツは出来るとの評判に感じた「気持ちよさ」だった?

     300万年前、本能だけだった人類は本能的に他人の目を気にしていた!言い換えれば「いい恰好し!」。
     それが協働するにことにより、他に評価される喜びの「蜜の味」を初めて知った。その喜びをさらに人に伝えたいという想いから言葉や漢字を創り出した。
     このDNAは現代まで引き継がれ、現代人の仕事のやる気の原動力のとどのつまりはこの「蜜の味!」 


    導入

    このページから分かること
    • 人類が感情を獲得していった過程がわかる。
    •  感情を伝達する手段として言葉•漢字を用いた。
    •  感情を発信する手段を獲得したことによる人類の脳のさらなる進化の過程を知ることができる。
     

    目次

    前書き

     人類の感情の起源を深く探ると、元来、孤独を好む類人猿であったヒトが、数百万年前に絶滅の危機に瀕し、互いに助け合う必要に直面した際に、感情という能力を獲得したという説があります 。
     そして人間が感情を獲得するまでの間、長きに亘って、飢え(飢餓)、渇き、性欲といった生理的動因といった情動のみで生きていたのではないかと考えています。

    脳の模式図(マクリーンの三位一体論)
    マクリーンの三位一体論の脳の模式図
    これは、感情の出現に深い進化的なタイムラインを提供するものであり、感情が単なる精神的な状態ではなく、生存戦略の一部として形成されたことを示しています。

     そして、ひとたび人間が感情を獲得すると、爬虫類脳、哺乳類原脳、新哺乳類脳(大脳新皮質)と猛烈な勢いで脳を発展させたのではないかと想像します。最もこれは素人の空論に過ぎませんから、後は専門家の方にお任せします。
     ということで、人間が長い間、感情というものを持たなかった。誤解を恐れずに言うと爬虫類脳には感情がなかったという仮説が成立します。






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    人類の誕生の歴史


     人類は約700万〜600万年前にアフリカに出現し、200万年なると急速に大脳皮質を発展させ、人類としての特質を高め発展するようになります。
    二足歩行の始まりと年代
     
    • 5億年前(古生代・カンブリア紀)
      この頃はまだ魚類が繁栄し、両生類の祖先が陸上に出始めた時期です。脊椎動物は四足歩行のスタイルで進化を進めており、二足歩行の痕跡はありません。 → この時点で「人間」どころか哺乳類もまだ存在しません。

    • 約6500万年前(中生代末〜新生代初期)
       恐竜絶滅後、哺乳類が多様化しますが、ヒト型生物はまだ登場していません。

    • 約700万〜600万年前
       アフリカで初期人類の祖先(サヘラントロプス・チャデンシスなど)が登場。頭蓋骨の付き方や骨盤の形から、ある程度の二足歩行をしていた可能性が示唆されています。

    •  
    • 約400万年前 アウストラロピテクス(猿人)が確実に二足歩行を行っていた証拠(骨盤・大腿骨・足跡化石)が発見されています。 → 「本格的な二足歩行の始まり」とされる。 

    •  
    • 約200万年前〜 ホモ属(ホモ・ハビリス、ホモ・エレクトス)が出現。
      二足歩行は完全に定着し、道具使用や狩猟に結びつく。

    •  
    • 約30万年前 現生人類(ホモ・サピエンス)が登場。
      二足歩行は進化上の前提として完全に確立しています。

       これを可能ならしめたのは人間が樹上生活から地上に降りて、二足歩行を始めたとこでしょう。二足歩行により、人間は前肢が完全に開放され、重たい脳を支えることが出来るようになったと同時に、手の細かな動きは脳をさらに発達させました。
    こうして、地球が誕生して以降45億年の長い間、自然の営みの中にあったものが、わずか30万年前に現生人類が地球に現れて、人類は今や地球自体を破壊し尽くし、人類自体の存在すら危ぶまれる状態になっています。これが人類の性といえばそうなのかも知れませんが、人間とは何でこうも愚かなのかわかりません。


    脳の進化の過程

    脳の進化の過程 爬虫類脳(約5億年前)

    脳の進化的には約5億年前に「原始的な脳(爬虫類脳)」とされる魚類・両生類から分化した爬虫類の神経系すなわち視床下部・脳幹系が先行しますが、呼吸・循環・逃走反応など「生存本能」に特化。ここにはまだ「喜怒哀楽」といった情動は乏しいとされます。

    脳の進化の過程 古哺乳類脳(約2億年前)

     次いで約2億年前に哺乳類が登場。扁桃体や海馬を中心とする辺縁系が発達し、「大脳辺縁系(古哺乳類脳)」が拡大します。恐怖・怒り・愛着・母性行動といった情動が出現します。ここで「感情の原型」が生まれたと考えられています。例:母子の愛着行動や群れの仲間意識。

    脳の進化の過程 新哺乳類脳(約200万〜30万年前に人類(ホモ属)が進化する段階で特に前頭前皮質が拡張)

     この段階には人間の脳の活動は一挙に花開き、感情、完成、理性などあらゆる分野で大きな発展がみられます。

      最後に「新皮質(新哺乳類脳)」が進化的に重畳するとする古典的見解(マクリーンの三位一体脳モデル)も影響力がある。

     現代の見解では、扁桃体や基底核を含む「中核的情動回路」は全脊椎動物に共通し、ヒトでは前頭前野・頭頂連合野による複雑な認知的制御が加わると考えられている。

     

    人間の生存活動と情動、感情の獲得

    人類の祖先(6百万年前?)
    人類の祖先(6,7百万年前?)
     かくして今から6,7百万年前になってようやく、二足歩行する人類が地上に現れます。人間は地上で、穴居か、竪穴式住居で居住しながら、採取・狩猟で、食料を確保することになります。最初は家族単位、そのうちに小規模の集落単位で共同で生活することになります。このころの人間の脳はまだそれほど発達しておらず、ものは見えても見たという認識はしていない、つまりいかなる感情も持ち合わせていなかっただろうと考えています。

     それでも人類の祖先は、狩りをしたり、森林火災から逃げ出したり、採取生活を繰り返す中で、情動の感覚は発展させていきます。



    感情・情動とは何か

    飢え(飢餓)、渇き、性欲といった生理的動因は、精神医学や哲学では一般に「欲求」「動機付け(drive)」として扱われ、感情とは一線を画する「情動」として捉えられています。

     では情動とは一体何かについて一言触れておきたいと考えます。
      感情というのは、定義的には、情動に主体の認知・意味づけ(自分がどう感じているかの自覚やラベリング)が加わったもの。言語化できる主観的経験を含むことが多い。 感覚を通してもたらされる快・不快の主観的経験である、その人だけが経験できる「気持ちいい」とか「気持ち悪い」という経験である。感情は言語で表現してもらえばわかるが、外部からはそれを観察することはできない。

    情動というのは、定義的には、「生物学的・自動的な反応群(身体反応・表情・行動傾向)を指す」ことが多い。速く短期的で、無意識的な成分が強い。
     怒り、恐れ、喜び、悲しみなどの強い感情で、行動や表情の変化,自律神经反応,内分倍び応などの身体反応も伴う。例えば怒りで顔が紅潮し目を見開くとか、恐怖で身体が震え顔が真っ青になるということが起こる、これらの身体反応は外部から客観的に観察できます。
     つまり、情動の感覚とは、感情のの認識過程に現れるいわば人間の生理現象ともいえる生理現象で、人類が他と協力して生き延びるために獲得した強い防御反応といえると思います。


    感情に先行する情動には如何なるものがあるか

     冒頭に書きましたように「感情が生まれる時期には漢字は生まれてなかった。生まれてなかった漢字から生まれる以前の事象を探るのは一種の自己矛盾かも知れません。しかしこれが漢字考古学の肝になります。人々の生活や歴史から漢字や意識などの上部構造への影響・反映を探ることを一貫して追求することこそがこのBlogの目標です。したがって、後世に感情に先行した情動とみなされる漢字にどのようなものがあるか触れておきたいと思います。

    感情のカテゴリーには入らない動因

     飢え(飢餓)、渇き、性欲といった生理的動因は、精神医学や哲学では一般に「欲求」「動機付け(drive)」として扱われ、感情とは区別される。
    動因は大きく 生理的欲求(基本的ドライブ) と 社会的欲求(高次ドライブ) に分けられます。
    • 生理的欲求(一次的動因)
      食欲
      飲水欲(渇き)
      睡眠欲
      性欲
      排泄欲
      呼吸欲(酸素欠乏への反応)


    • 社会的・高次的欲求(二次的動因)
      安全欲求(危険回避・安定への志向)
      所属欲求(群れや仲間との一体感)
      承認欲求(評価されたい、認められたい)
      征服欲・克服欲・達成欲(自己拡張・競争)
      知識欲(好奇心)
      美的欲求(秩序・調和を求める)

    •  これらは 感情(喜怒哀楽)ではなく、行動を長期的に方向づける力 です。

    •  人間は感情という脳の働きに移行する前に、あるいはほとんど同時期に情動として身体に変化(飢え、渇き、瞳孔が開く、強張り心拍数の急上昇、呼吸困難など)が現れたのでしょう。

    •  最初のうちは情動だけが外的刺激に反応する人間の行動の表れだったかも知れません。爬虫類や人類も含めその他のほとんどの動物は、この情動の織の中に閉じ込められて生き続けたのだろうと考えます。
      しかし人間はその時すでに哺乳類脳を持ち、徐々に(少なくとも百万年ベースの年月を経て)感情を獲得していったのだろうと思います。

    •  かくして人類は感情を獲得し、さらにはその感情を外部と交換するツールとして言語を生み出したのだろうと考えます。
       もちろん最初は音声だけのやり取りだったと思いますが、百聞は一見に如かずの諺にもあるように、絵や記号を使う方が音だけに頼るよりずっと正確に伝えることが出来るということに気付くまでにそうは時間はかからなかったと思います。

       ここで初めてお互いの意思疎通を図るための手段が必要になってきます。わたしはこの手段は、音と絵や字のような記号であったろうと考えます。


    文字の栄枯盛衰

     文化はそれを担う民族なりが力を失うと消えていくものです。文化の象徴でもある文字についていうとエジプトのヒエログラフ、メソポタニア文明の楔形文字、インダス文明のインダス文字などがその紛れもない証左でしょう。
     一つの仮説ですが、チグリスユーフラテス流域やエジプトのナイル川流域は非常に開かれた土地であった。それだけ人々の交流が盛んで、民族も入り乱れていた。逆にインダス河の流域はそれほど流動的な地域ではなかったものの、気候変動か地殻変動などの要因により、それを担ったドラヴィダ人の祖先が移動離散したことにより消滅したといわれている。一方で黄河流域で漢字が文化的な基盤となったのは、他と比較的隔絶?された場所で、人間の交流も他の地域と比べると格段に少なかったろうし、その分系統的な情報を長く共有し醸成することが出来たという地政学的な要因が大きかったと考えます。
     漢字はそれを担った中華民族が黄土高原に定着し、後にユーラシア大陸全体を制覇するほどの勢いを見せたことで、今日大きな力を持ち一つの文化圏を作り上げたといえます。


    漢字の誕生歴史

     音声の果たす役割
     人は何か自分が感じた時最初に発するものは声だろうと思います。これが情動と呼ばれる、生理反応で、まさに「声なき声」かも知れません。このことは我々でも。少し考えればわかることで、びっくりした時「アッ」と声を挙げる人がいても、「アッ」と字に書く人はいないはずです。

     いずれにせよ人類は哺乳動物として地球上に現れた約二億年前から紀元前数百万年前までの非常に長い期間、おそらく音声だけで生きてきただろうと思います。
    こうしてこの音声を使って、自分の伝えたい物事や事物にかんする概念(時には情動や感情までも)を伝え、他の個体とやり取りすることで知識や認識を豊かに発展させると同時に、音声を自分の情動や感情を伝えるツールとしての言語の完成度を高めていったと思います。これは蝙蝠やクジラとは質的に異なるレベルであったと思います。

     また古代においては、部落や氏族共同体のような組織で、それぞれの歴史を口述することで後世に伝えてきました。いわゆる巫女の存在です。日本では語り部として古事記の編纂に携わった稗田阿礼という人物が有名です。

      まとめ:
    1.  人間は地球上に出現した時は感情を持っていなかった。
    2.  しかし人間は二足歩行をし、重たい脳を支え自由になった手で、さまざまの能力を手に入れていった。
    3.  人間は自分の生命の維持のために。協働を身に着けた。
    4.  協働作業する中で、感情を豊かにし、互いの感情を理解し理解する必要が生まれた。
    5.  この感情を理解しあうツールとして言語を発展させた。
    6.  この言語はかなり長い間音声によるものであった。 
    7.  社会がさらに発展し、協働の中身も高度化し、範囲も広がった
    8.  音声だけではなく、可視化する必要が生まれ、同時的に発展していた象形文字を使うことが考えられた。
    9.  かくして漢字が使われ、国王の政治の維持にも利用されるようになった。


     感情を伝える手段としての漢字
     感情の誕生から言語の関係については、色々の哲学者が様々な論を展開しています、中でもジャン=ジャック・ルソーの現した『言語起源論』や言語起源論の古典的な説である「プープー説」、協働作業時のリズミカルな掛け声が言語の起源と考える点で、「協働」という要素を言語起源に結びつけている「ヨ・ヘ・ホ説」等があるようですが、ここでは紹介だけに留めます。

     かくして非常に長い間、人類は音声だけで意思疎通を図ってきました。「百聞は一見に如かず」ということわざの通り、何回聞いても理解できないが、ちょっと絵を見ただけでたちどころに理解できてしまう。このことは太古の昔でも、日常生活で誰もが感じていたであろうし、実際の会話でも絵を描いて会話を重ねていただあろうことは、想像しなくても誰もが思いつくだろうと思います。これらの絵は何一つ残っていませんので、想像といえば想像になりますが・・。  だれもが日常で、山といえば山の形のものを描きますし、川といえば川の形のものも書きます。これは象形文字といわれるものです。

    ああ漢字されど漢字

     漢字は基本的に象形文字です。太古の人々は物の形をそのまま記号にして通信手段としていたでしょう。たとえに使われるのは「山」「川」「犬」といった身近な動物や事物で会話を行っていたでしょう。しかし人々の経験や認識が豊富になるにつれ、漢字も複数組み合わせたり、音の要素を組み込んだりして、次第に漢字も高度になり複雑になったと思われます。

     しかし、ここで最大の問題が立ちはだかったと思います。それは「形のないものをどうやって形で現すか?」ということです。
     人類は発想の転換を繰り返し、形のない音は音を出すもので表現すればいい、色はその色を持っている物の形であら合わせばいいということです。ここで初めて漢字は、色や音を表すのに使えるようになったとも思います。しかし、それでも匂いだけは随分手こずったのではないでしょうか。
     最後に気持ちはどうだったでしょう。感情を伝えたり読み取ったりするにも、漢字の前史の長い時間がありました。

     感情に先立る「動因」といわれる「欲求」そして、「情動」を長い間持て余した末ようやく人間は、「感情」を獲得し、それを表現する手段として「漢字」の「形のないものを表現する」機能を使うことに気が付いたのだろうと考えます。



    漢字「楽」甲骨文字 松明の下で集まる楽しみを表現
    漢字「楽」 甲骨文字
     では形になっていないもの、例えば感情はどう表現していたでしょう。私はそれも目に見えるものの形で表現したのではないかと考えています。例えば「楽しい」という感情は、みんなが集まって松明を真ん中にして踊るさまを記号にしたようなものです。「喜び」は打ち鳴らす太鼓で「喜び」を表現していたのではないかと。
    漢字「喜」 甲骨文字



     この象形文字の一種に「甲骨文字」があります。甲骨文字は国王が政を占い師に問い質し、亀の甲羅を焼いて甲羅に現れたひび割れを「神の託宣」として権威付けを行った結果残ったものです。そして今記録として残っているのはこの甲骨文字だけしかないので、甲骨文字こそが人類最初の漢字として尊重されています。

     甲骨文字しか残っていないのは、他も物は残す必要がなかったからであろうし、残す手立てがなかっただろうともいえます。私が強調したいのは、王が占いを立てて初めて作られたのであれば、だれもその文字を理解できなかったであろうと思うのです。一つの文字だけではなく文脈の中で文字が理解されるということは、その当時象形文字といわれる漢字がかなり広く広まっていたであろうことは想像に難く在りません。


    「情」の漢字データ

    漢字「情」小篆
    漢字「情」小篆
    漢字の読み
    • 音読み: ジョウ
    • 訓読み: なさけ

    意味
    • こころ、感情
    •  
    • なさけ
    •  
    • おもむき、趣、情感

    同じ部首を持つ漢字     請、清、静、精
    漢字「情」を持つ熟語    感情、情動、情感、色情、情状、情勢


    **********************



    漢字「情」成立ちと由来

    漢字「青」情の甲骨文字はなかった。ただ漢字「青」のの説明とかぶさ部分多く採用した
    漢字の主たる説明
     漢字「情」の成り立ち:声符は青。《説文》に「人の陰気にして欲あるもの也」という。性を陽、情を陰とする考えは漢代性情論に一般的なものであった。後に性は「体」,情は本能的なものとしている。即ち本能的な欲望を[情]としている。
     因みにここでいう「青」は古くから丹朱、丹青として鉱物質のもので変色せず腐敗を防ぐ力があると珍重された鉱物質を取り出すために深く井戸型に掘り下げていくものを丹井といった。その井戸の中にある石が丹青であることを示したことからこの字が使われた。「情」は情念といわれる如く、もっと本能的な人間の欲を表現したものである。やはり「情」は「愛」は似て非なるものなのかな?


    感情から漢字が出来るまで

    情動と動因の漢字


    •  基本情動(第1次感情):ポール・エクマンは「怒り・嫌悪・恐怖・幸福(喜び)・悲しみ・驚き」の6つを全人類に共通の基本感情とした。この感情から派生するより複雑な感情を第2感情と捉える説もある。(例:失望・恥・罪悪感など)
      怒り: この分類の中でも、「怒」だけは別格で、他の感情と異なり、怒りは対象とするものをっ必要とする意味で、第2次感情にカウントする考え方もあり、このブログの筆者はどちらかというとこの説に同調している。なぜ筆者がこの問題にこれほど固執するかというと、第1次か第2次かにより漢字の成り立ちに違いがあるはずだと考えるからです。
      嫌悪:   
      恐怖:おそれと示す漢字には、

              代表的には「恐」甲骨文字「恐」「怖」「畏」がある。   

      喜び:喜びは形がないので、太鼓を打つことで喜びを表現した
         
      悲しみ:別の漢字で「哀しみ」があるが、筆者はこの「悲」と「哀」は別物と考えている。「哀」は喪失感で在り、漢字も専ら死者に対する感情を表現しているのに対し「悲」は心が背反する状態を表現している。
      驚き:字統では馬が驚きやすいから、上部に呪的な戒める意を持つ敬を加えて驚きとしたと唱えている。   


    • 本能的情動:飢え・渇き、性欲など行動を駆り立てる生物学的な推進力で、感情とは区別される。
    • 飢え:実際の食べるもののない状態をいうし、男女間で愛情を抜きにして相手を求めるのにも用いる
      渇き:のどが渇いて水を激しく求める状態。飢えと同じく、男女間で愛情を抜きにして相手を求める状態にあるのも言う、
      性欲:感情のカテゴリーには入らない。
      気分:持続的で原因がはっきりしない情動状態(例:憂鬱、浮き立つ感じ)。感情より長く続く。
      社会的/複雑感情(social or moral emotions):羞恥、罪悪感、誇り、同情、恨みなど。社会的認知(相手の意図を読む等)を必要とすることが多い。     


      感情の漢字


      感情(emotion):ある出来事や対象に対する短期的な反応。表情や生理反応を伴うことが多い
      • 喜び
      • 怒り
      • 哀しみ
      • 楽しみ(喜怒哀楽)はここに入る典型。


      まとめ


       「協働から生まれた感情の進化プロセスを明確にし、その感情を表現するための漢字の誕生の過程を跡付ける!」ことがこのブログのミッションでした。

       約2億年前に地球上に哺乳類が登場しましたが、約200万〜30万年前になってようやく新哺乳類脳を持った現生人類が登場します。
       しかしその頃、本能のままに生きていた私たちの祖先は、たびたび襲ってくる地殻変動や気候の激動の中で、協働するうちに仲間と協力する喜びの感情を獲得するようになりました。そして、その喜びを分かち合う手段としての言葉が使えるようになりました。
       やがて社会が発展し、話し言葉だけではなく漢字まで使えるようになりました。このことは人間自身にも大きな変革をもたらし、とてつもない能力を持った人類として地球を制覇することになりました。

       以上のことをこのブログでは、確認することが出来ました。
       さて、このように人類は、とてつもない変化を遂げたわけですが、今人間の活動で、地球が破壊されかねない事態に陥っていることは。皆さんも疾うに気付いていると思います。

       皆さんはこれから先、どう生きますか? これ以上を地球を壊さないように、大切に守っていきませんか?

       何にもない地球に、何とか気持ちよく住まわせてもらえるようしたのですから、一人一人が気を付ければ、きっと何とかなるはずです。一人一人の気持ち・感情が何より大切ですから・・。共に頑張りましょう!
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