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2013年4月19日金曜日

「犬」:漢字の起源と由来

前回と前々回で「臭」と「献」の字について、それがいずれも犬から派生された字であることが理解できた。そこで今回は、これらの大本の由来である、「犬」の字の起源と由来について、唐漢氏に尋ねてみることにする。
 犬は中国人は「狗」という。犬科で聴覚、嗅覚とも鋭敏で、犬歯は鋭く、前脚は5趾、後ろ足は4趾で曲がった爪をもち性格は機敏で、訓練に適応し、狩犬、牧羊犬、番犬、愛玩犬、食肉犬等になる。 犬は人類が最も早く(約8千年前)から順化させた野生動物の典型は中国狗で、尾は後ろに巻きあげている。


ここで一つの疑問が出てくる。中国の3300年前の先民たちは、なぜ字を書くのに縦長で、立てて描いたのだろうか?

これは漢字や文字が縦に書かれることのルーツであるような気がする。
引用 「汉字密码」(P26,唐汉,学林出版社)

「犬」これは象形文字であり、輪郭の特徴をとらえた造字法である

「犬」これは象形文字である。2千年以上も前、孔子は「犬」字を見た後、少し感心した感じで、「犬の字は『狗の絵の様だ。」といったという。
 明らかに犬の字は牛や羊の造字方法の特徴とは同じでなく、犬の字が従っているのは、輪郭の特徴をとらえた造字法である。即ち線で輪郭を取る方法である。この種の方法はしっかりと犬の外形的特徴をつかんでいる。体は細く、長い尾は巻いている。

先民が犬を縦長に立てた状態で描いた

観察上字形を述べると、我々は犬の字が横から見た、実際の状態に対応できるのが分かる。これは漢字の横に狭く縦に長く書くという特徴に適応したためで、3300年以前のはるか昔の先民が犬を縦長に立てた状態で描いたものだ。まさにこれは一つの原因であり、それ以降犬の字は随時一つ一つ変わっていって、今日の犬の字の楷書になっている。厳格に述べれば、今日の「犬」の字は一種の文字符号であるが、それは依然として象形文字である。
「漢字の世界の起源と源流を探る」のホームページに戻ります。

2013年3月8日金曜日

漢字「香」の起源と由来 また香港の名前はどこから?

香と臭では、字の成り立ちも全く異なる
 匂いには「香」という字と「臭」という字がある。同じように匂いに関する漢字であるにもかかわらず、その成り立ちはまったく異なる。「香」という字は、黍の発酵する時の甘い香りから、この漢字ができた。時期は農業が発達した頃でで始めてお目にかかる。一方「臭」は鼻という字と犬という字の組み合わせである。犬が鼻がよく聞くところからこの漢字ができたとされる。甲骨文字の中にみられる。
 現在では、さまざまな香水が合成されたり、抽出されたりして広く使われている。その歴史は古く、天然香料にも植物性、動物性のものがあり、また科学の進歩により様々な香水が開発されている。


豆知識:また香港の名前の由来は?
ヴィキペディアによると、今話題の香港の名前の由来は:珠江デルタの東莞周辺から集められた香木の集積地となっていた湾と沿岸の村の名前に由来する。

引用 「汉字密码」(P213,唐汉,学林出版社)


 黍は無論飯も作りまた酒も作る。皆香りと味はよく、古人は香りという字を作る時「黍」と「甘い」という字を組み合わせた。以降黍の音を簡略化し禾とし、ついに「香」という現在の字が出来た。




天然香料
植物性香料:花、葉、果実、樹皮、根から抽出される
動物性香料:動物の生殖腺分泌物等から。ムスク(麝香、ジャコウジカ)、シベット(霊猫香、ジャコウネコ)、アンバーグリス(龍涎香、マッコウクジラの腸内結石)、カストリウム(海狸香、ビーバー)、ジャコウネズミの5種が知られており、シベットのみエチオピア産の天然香料が使われることがある。
 それ以外は、現在ではほぼ合成へ移行している。


合成香料
合成香料:自然界の香りの成分を分析し、同じ構造の化合物を原料から化学的に合成する。あるいは天然には無いものを合成する(例: 白檀の天然香料はサンタロールという物質だが、非常に稀少で合成も難しい。そのため、イソカンフィルシクロヘキサノール、フランスのジヴォダン(Givaudan)社が開発したサンダロア、スイスのフィルメニッヒ(Firmenich)社が開発したポリサントールなどの物質が用いられている)。

単離香料
天然の香料から成分を部分的に分離させる(例:ハッカからメントールを造るのがこの方法)。


香水にかかわる歴史
 紀元前1850年頃に香水を製造していたという最古の工場跡がギリシアで発掘された。
 アルコールに溶かす香水が作られるようになったのは、イスラム社会でアルコールの製造法がヨーロッパに伝えられてからである。それまでは油脂に香りを吸着させた香油やポマードが使用されていた。14世紀にハンガリー王室で使用された、ローズマリーを原料としたもの(ハンガリアンウォーター)がそれである。その後、ルネサンス期のイタリアで発展し、ヨーロッパ各地に広まっていった。
 16世紀から19世紀までのヨーロッパ(特にフランス)では、風呂に入ると梅毒などの病気になりやすいと信じられたため、入浴という行為が一般的でなく、国王ですら一生に3回しか入浴しなかったという記録があるほど。そのため香水は体臭消しとして発達していった。またなめし革の臭いを取るためにも使われた。しかしルネッサンス時代の絵画には、入浴、沐浴シーンが見られ、入浴だけに付いて言えば時代は逆行したのではないだろうか。(以上ウイキペディアより)
 この香料を求め、西洋から東洋に艦隊を組んで航海する時代が続き、「大航海時代」といわれる時代が幕を開け、結果的には、航海技術の発達、大陸の発見など、大きな出来事が続いて、地球をくまなく征服されることとなった。

 このように西洋では香水が主流であったが、日本では「香」を焚きしめる方法が重んじられた。平安貴族の間では、香を言い当てるゲームなども盛んに行われて、そのありさまは「源氏物語」の中でも、描写されている。この時代は風呂など入らなかったようで、体に付いた臭いは香をたきしめてごまかしていた。西洋の貴族が香水を振りかけるのと同じである。
「漢字の起源と成り立ち 『甲骨文字の秘密』のホームページ」に戻ります。
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