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2019年1月21日月曜日

漢字「姓」は大昔の氏姓制度の中から誕生した。 漢字は社会の変化を映し出す。


「姓」からの開放は、社会の開放に直結する
 今日の毎日新聞に「選択的夫婦別姓の全国陳情アクション」と題して、夫婦別姓の運動の機運が高まっていることを報じています。
 人々の「氏姓」の問題は、人間が共同体を作る前には、未だ存在しなかったのですが、やがて集落ができ、集団で生活するようになると氏姓制度が生まれ、「家族」という単位が発生してくるようになります。やがてその制度も社会も時代と共に大きく変化することになりますが、「姓」という漢字の変化は、その社会の変化をまるで母斑のごとく刻みつけています。

 今、漢字の「姓」の変化の過程を見れば、数千年前からの社会の変化が明らかになり、「夫婦別姓」を妨げるものが何か、自ずと明らかになってきます。

 日本では、昔の「家」という概念は既に崩壊したと言われています。では、完全に「家」という概念から開放されたかといえばそうではないと考えています。その最も大きな根拠はこの「夫婦は同じ姓でなければならない」という概念が、日本では支配的だということです。そのために諸外国から見ても、「日本の女性は開放されていない」現状に強いられることになっています。もちろん「夫婦別姓」にすればすべてが解決するという単純な問題でないことは確かですが、少なくとも社会を前進させる大きな起爆剤には成り得るでしょう。

 人々が、男も女も、「家」という概念から開放され、キラキラと煌く「個の発露」が開花する時、日本の社会はもっと美しく素晴らしいものになるでしょう

引用:「汉字密码」(P485、唐汉著,学林出版社)
「姓」という漢字は古代から近代にいたる非常に長い期間
社会の成り立ちの根幹の制度・概念を表す漢字である
「姓」の字の成り立ち」
 「姓」の両形も会意文字であり、母系制氏族社会で、同一の女性を始祖とする後代まで広がる社会を示している。
 同一の女性の祖先の子孫は、彼らが一人の同じ女性から来る所から金文の「姓」という字を生んだ。





漢字「姓」という文字がなぜ女偏から人偏に変化し、再び女偏に変化したのでしょう
 右辺の字の符号の中の短い横棒と左辺の女偏が人偏に代わり、この時期に社会が既に男性の権力の時代に入り、既に母系制氏族制度が転覆したことを表明しています。小篆は女偏に回復しているが、なぜ人遍から女偏に戻ったのかは調べる価値がありそうです。


「姓」の独占と社会の仕組み
  中国古代社会では平民と奴隷は皆姓を持ってなかった。只貴族のみが姓を持っていた。実質上早期には姓の権利が独占されていた。この為に上古社会では「百姓」という言葉は庶民を指していた。平民も姓氏を持つ様になって、庶民という言葉は一般庶民を表示するのに用いられた。

 このようなことは、韓国社会でも、夫婦別姓になっているにも係わらず、「本貫」という遺制?が残っているし、中国でも「太子党」という階級の裏付けが、父系の血縁集団のように社会に隠然とした力を与えていると言われる。

 日本では、朝廷が、官位と同じように氏(うじ)と姓(かばね)を授けて氏姓制度を国家機構の中に組み入れ、支配の仕組み構築していった。



参考記事:「女の漢字:「姓」 文化・社会の原点はここにあり

「漢字考古学の道」のホームページに戻ります。

2012年3月4日日曜日

「氏」 文化・社会のもう一つの原点はここにあり

 長い間、人間の社会の根幹の部分を作り上げてきた、姓名。これは現在の日本、中国では家族を表す指標であり、韓国においては広義の血族関係を表す本貫である。これは東洋に留まらず西洋でもFamily Nameという呼称でこの関係があらわされる。これは人類共通の歴史的過程を経てきたことからこのような結果を生んでいるといえる。この共通の過程とはなにか?それは「氏姓制度」である。穴居生活からやがて家族が生まれ、私有財産が蓄積され、村落・部族を形成する過程こそ人類共通の歴史的過程である。
 さてこの姓と氏という漢字の由来について、日本の白川博士と我が唐漢氏の間では天と地の開きがある解釈を展開されている。
 勿論ここでは常々言っているように、どちらが正しいということを解明しようとする立場に立つものではない。両方とも正しいかも知れぬが、それを認めなければならないのも人文科学の宿命かもしれない。
 
「姓」と「氏」はこれまでの社会の成り立ちの根源
 唐漢氏は言う。「氏」は指示造語である。表意の漢字の仮借である。甲骨文字の「氏」の上部は最も簡単な「水」を表す記号から四点を省いた記号、下部は一本の長い縦の指示符号で、水面から水底までの意味であると唐漢氏はいう。金文の「氏」は甲骨文字を受け継いでいるが、美観なものになっている。下部の長い縦棒には一個の丸い点が付け加えられている。小篆はこの点が横に長く変化し、文字構造上の形の均整がとられている。
  要は唐漢氏は「氏」の本義は水の水面から水底までを示す漢字だというのである。



  「氏」は古代社会では本来宗族的称号であった。すなわち同一の血源の出生の繁衍の子孫を表す。即ち姓あれば氏ありで、また姓の区別あれば族号である。氏は姓の分支である。乃至同一家族から出たものは次は一級分枝の称号である。
  姓は不変であるが、氏は変えることは可能だ。即ち同一血源からは同一姓で、その分支としての「氏」が存在する。
  即ち古代中国では、氏は官位、住所、その他社会的位置づけによって名づけられる(変えることが出来る)ものという。しかし「姓」は同じ血縁から出たものは同じ「姓」を引き継ぐものだという。
 上古社会では「姓」は女性の祖先に遡り、「氏」は男系の子孫の承継である。これは、女性が女性を生むと明確に母親、祖母、祖祖母という血縁の接続を知ることが出来たが、男の場合はただ下に向かってのみ追跡でき、ただ自分の子、孫が誰であるか知るのが出来るだけである。これが姓と氏の本質的違いであるという。

2012年3月2日金曜日

女の漢字:「姓」 文化・社会の原点はここにあり

[姓]という漢字に込められた社会の変遷
 「姓」という字は、中国の社会が母系制社会から氏族制度へと発展し、氏姓制度さらに古代、中世、近代の今日に至るまで、社会の根幹の仕組を表す重要な文字である。

 このブログの重要な仕事は漢字の変遷から社会の変遷を読み解くことでもあるので、「姓」という字はこのブログの重要なコンセプトともいえる。今後折に触れ理解を深めていきたい。氏族制度の基盤は血縁集団にあったが、それがやがて国家の政治制度として編成され社会基盤として機能していくようになる。


「姓」という漢字は古代から近代にいたる非常に長い期間
社会の成り立ちの根幹の制度・概念を表す漢字である
姓という文字の成立ち
 「姓」は会意文字であり、形声文字でもある。甲骨文字の「姓」の字の左辺は女という字で、右辺は草木の発芽成長の記号である。両形も会意文字であり、母系制氏族社会で、同一の女性を始祖とする後代まで広がる社会を示している。
 同一の女性の祖先の子孫は、彼らが一人の同じ女性から来る所から金文の姓という字を生んだ。



漢字「姓」という文字がなぜ女偏から人偏に変化し、再び女偏に変化したのか
 右辺の字の符号の中の短い横棒と左辺の女偏が人偏に代わり、この時期に社会が既に男性の権力の時代に入り、既に母系制氏族制度が転覆したことを表明している。小篆の「姓」という字は女と生に回復しているが、母系制に回復したということではない。ただなぜ人遍から女偏に変わったのかは調べる価値がありそうだ。

 実際上、この一時期、早くも張、王、李、劉等の男性の姓の天下であり、司馬、諸葛、欧陽などの2文字の姓は皆父系から得た姓である。

 上古社会では、個人並びに氏族の姓は皆女性の血統に源を発している。この一点早くから氏の文字の構造は証拠となり得た。姜の様な姓は、神農の居姜水の姓と考えられる。女の羊の声は「姫」の様な性を生んだし女の臣の発声は「赢」姓であり、又皇帝の数少ない姓を生んだ。「姚」などもその数少ない例かもしれない。

 中国古代社会では平民と奴隷は皆姓を持ってなかった。只貴族のみが姓を持っていた。実質上早期には姓の権利が独占されていた。この為に上古では庶民という言葉は「百姓」を指していた。平民も姓氏を持つ様になって、庶民という言葉は一般庶民を表示するのに用いられた。

 日本では、朝廷が、官位と同じように氏(うじ)と姓(かばね)を授けて氏姓制度を国家機構の中に組み入れ構築していった。



「漢字の起源と成り立ち 「甲骨文字の秘密」」に戻ります。