2016年6月3日金曜日

漢字:「面」の起源・由来を「甲骨文字」に探る



引用 「汉字密码」(P437 唐汉,学林出版社)

読み方:(音)メン (訓)おもて、つら  「面」は会意文字である。甲骨文字の面は、横から見た顔の輪郭に只一つの眼があるだけだ。それで人の面目を表している。小篆の面の字は未だ塞がってない囲いの中に従来通りに人の顔を表示している。人の正面の顔であるものは一個の「自」(鼻)の字がある。この字の作りの如く、鼻は人の面の最も突出した部分である。一番目立っている。人と話すとき「俺のことか」と確認するときは人差し指で自分の鼻を指す。こんな時に自分の目を挿したり、口を指す人はまずいない。昔は鼻は「自」のことを意味していた。
 《说文》では「面」を解釈して、顔の前としている。よって知り得るのは、面の本義は顔面である。楷書は隷書を経たのち「面」と書くようになった。

 「満面笑みをたたえ、面談」の面は顔面のことを言っている。  
 顔面の意味から「面」は事物の表という意味に拡張された。「地面、水面」の如くである。拡張されて、方向を表すようにもなった。「片面、面面俱到(各方面に行きわたるの意味)」等。
 又中国語では、「面」は扁平なものの量詞にも用いられる。「一面旗帜(旗幟一つ)、二つの鏡」等。"挂面、药面儿、面粉"の中の面は繁体字では「麺」と書く。両字とも形は同じではないが、簡体字を作る時、彼らは簡略化のため統一した。
 面の字は古文中では「脸」と同じではない。「脸」の字は本来両頬のことを言った。婦女子の目の下で頬の上で脂の乗っているあたりをいう。後に「脸」は使用中暫時「面」に取って代わった。遂に面の全部の部分を指すようになった。
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