2013年4月21日日曜日

狗:漢字の成り立ちと由来 いつから犬のことを「狗」と呼ぶようになったのか?

 中国では犬のことを「狗」と呼ぶ。日本でも天狗や走狗というように用いられるが、犬は専ら「犬」である。しかし現代中国でも、牧羊犬、警犬、玩赏犬、食肉犬というが、番狗、食肉狗とは言わない。また犬歯というが、狗歯とは言わない。いつからそのようになったのだろう。犬と狗との使い分けはどうなっているのだろう。少し探って見た。
引用 「汉字密码」(P27, 唐汉,学林出版社)

「狗」は犬の交配から先住民が呼び出したことによる

 「犬」の字はなぜQuan(チュアン)と発音するのか?これは犬の子の鳴き声の「きゃんきゃん」というところから来ている。これは犬の発音は子犬の擬声語から来ている。
 しかし、人々はなぜ「犬」を「狗」と呼ぶのだろうか。このことは人々が通常湾曲した形状のものを「鈎」と称したことによるものだ。湾曲したものをつなぎ合わせて一緒に「句(gou)搭」と呼んだ。雄犬と母犬が交配をする時、大変長い時間「離れがたく一緒」にいるが、まるで繋がったものと同じようである。先住民は交配している犬を見て、自然に「句住」と呼んだものだろう。こうして長い間、「句」の発音は犬の通称となった。発音に基づき、犬と句の音と犬の字が同時に使用されて、人々は「狗」の字を作った。


漢の時代には既に「犬」は「狗」と呼ばれていた

 西漢の初年、漢の高祖が天下を取るのを助けた戦功を立てた大将軍韓信は謀反の嫌疑をかけられ、毒を飲まされ自殺した。彼は一句世に伝える名言を残している。「狡兔死,走狗烹。」この意味はずるい兎を捕まえる時は犬は一定重用されるが、一旦ウサギが捕まり、犬が用いられなくなると料理されて食べられるものだ。これは韓信のの自嘲の気持ちである。我々は却って、この事から、犬を狗と呼ぶようになったのは相当古いことだと見て取れる。

 漢字の中で「犬」の字は部首である。偏と旁に用いる時、犬は却って「狐、狼」の様にかかれる。「犬」の造りは通常犬と同類の哺乳動物の類を表す旁となる。音を表す旁を用いて、犬の行為に関係を示す。

「犬」は早い時期から狩りの助けなど
人々の生活に係わってきた

《诗•小雅•巧言》のなかに「子供のウサギに心が躍る、犬に会ってこれを捕まえる」の記述がある。これから分かることは相当早い時期から、犬は既に人々の狩りの助けをし、人々のために犬馬の労に献身する。
「漢字の起源と成り立ち 『甲骨文字の秘密』」のホームページに戻ります。

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